48 / 86

四、結婚式してみようかな。⑩

「まあ、よい。さっさとこっちに来てもっとよく見ろ」 俺の反応に機嫌が良くなったのか、ローはユージン王子たちを近くに呼び寄せる。 「俺は優しいから、痛くないように開発しているんだ。まず、こうやって胸を弄ると、気持ち良くなって身体が快楽で痺れてくる」 「ちょ、わっ んっ」 抵抗しようにも、口の中に指を入れられて掻きまわされていく。 声を出したら変な風に声が漏れてしまう。 「で、胸の刺激だけでは足りないと、身体が甘い疼きでうすうずしだしたときに、こうやって」 スーッと胸から降りてきたローの指が俺のズボンの中へ一本入る。 ゴムをなぞるように、肝心な部分には触れない。 「触ってほしいと懇願したら、俺は優しく触ってやる。が、前ばかりではいつまでも愛し合えないので、今日は後ろから」 俺の可愛い桃を撫でると、指でさすさす触りだした。 「ロー、んんっ 口っ」 「どうした?」 指を離すと俺の顔をまじまじ見てくる。 くそう。本当に人がいるのにヤりそう。こいつならヤりそう。 だったら。 「助けろ! リー! 助けてくれ!」 「む。うるさいな。下の口じゃなくまず上の口から塞ぐか」 「ぎゃ、んんんっ」 来た。触手のように滑った舌を遠慮なく入れやがって。 「わあ……」 未経験の美少年たちは驚いて目を見開いて、大きく口をあけたままユージン王子を見た。 「王子様は、あのお下品なキス、好きですか?」 呆然としている美少年たちの様子が可愛かったのか、ユージン王子は嬉しそうだった。 「俺は、啄むようなイチャイチャするキスが好きだよ。体中に俺の印を残したいから、あんな下品なキスはあまり好きじゃないかな」 下品で悪かったな。 でも、やばい……蕩けそうなほど気持ちイイ。 舌に真珠でも埋め込んでるのか分からないけど、刺激的で頭の芯が折れてしまいそうなほど、甘くて――。 「うぉおおおおおお、グー!!!!」 その時だった。 まるで白馬の王子様のように、真っ白な馬に乗ったリーが右手には抜いた剣を抱えて現れたのだ。 太陽の光を背に、輝きなぎら現れたリーは、荒い息を吐き、急いでくれたのか額に汗を浮かばせて俺を見ていた。 「……空気を読め、勇者」 「え、でも今、10キロ先の乗馬場にも聞こえるほどグーが叫んでいたから」 10キロ先まで聞こえるわけない。こいつは耳が良いだけだ。 でもなぜだろう。 胸がトゥインクルトウィンクルしてる。 ドキドキと、白馬に乗った王子の登場に、俺は頬を赤めた。 やだ……今、少女マンガのヒロインの気持ちがわかっちゃう。 暴漢に襲われそうになった不安の中、こんなイケメン見たら誰だって恋に落ちちゃうわ。 トウィンクル、トウィンクル、ときめく心。 トウィンクル、トウィンクル、弾ける熱情。 ルルル、ららら、動き出す恋心。 BGMがピンク色に染まった頃、ようやくリーは察したのか顔を真っ赤にする。 「え、あ、え、そのプレイですか?」 「んなわけあるか! 助けろ」

ともだちにシェアしよう!