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四、結婚式してみようかな。⑪

リーは少し迷ったみたいだが、ローから俺を引き剥がした。 「えっと、婚前前なのでもう少し慎んだ方がいいのではないでしょうか」 「酔った勢いで抱かれた相手なので、慎むモノは何もない」 抱いてないってば。 それなのに未だ指輪の効力で反論は難しかった。 それはもうどうでもいい。 リーの背中に隠され守られると、胸がトゥクン、トゥクンする。 まるで、恋みたいな、変なドキドキだ。 「俺の花嫁はここでガキの情操教育にもなるから色々教えてやろうと思ったのだが、それよりお前はスピーチはちゃんと考えてるんだろうな」 俺はしっかりしたリーの肩に頬を押しつけながら恋にも似た、心臓不全に悩まされている。 そんな中、ローはスピーチとか馬鹿か。 「えーっと、俺、魔王とグーの慣れ染めがいまいちわからなくて」 「じゃあ酒場で世界平和についての話し合い会で、とかどうだ?」 「あー、ナンパを言い変えた表現だね。貰います」 「雑談してんじゃねー。リー、お前、……お前」 怒鳴りつけようとしたのに、リーの顔を見ると頬を染めてしまった。 「俺も馬術の練習する」 「え、偉い! ヒモだったグーが自主的にレベル上げしたいとか、偉いじゃん。行こう、10キロ先さから乗せてあげるよ」 「まて、グー。お前はそのまま花嫁衣装をオーダーメイドするためにサイズを測らないといけないだろ」 どうしてだろ。 指輪で脅されてる分、ローの声にビビってしまうけど、リーの声にはドキドキしてしまう。 この差は、一体? 「王子様、ハレムで復習します?」 「中途半端で分かりにくかったから、僕は王子に指導してもらいたいな」 「ずるーい。僕が先だよ」 「違うよ。ねえ、俺だよね?」 俺たちが言い争っている間に、王子は美少年たちをハレムへと連れて行ってしまった。 「で、お前は馬に乗るのか、サイズを測ったあと俺に乗るのか、今すぐ決めろ。さもなくば此処でやはり抱くぞ」 俺がローを選ばないと、世界問題に発展するのは分かっていた。 けれど、どうしてもリーから離れたくなくて、後ろに隠れた。 「それが答えか!」 「どうしたの? 大丈夫?」 俺を心配してくれる白馬の王子と、俺を開国しようとする悪の王。 選ぶ相手は一目瞭然だった。 「えっと、マリッジブルーです」 だが俺は二人を転がす方法を考えていた。 「まりっじぶるー? どこのグランドラインだ」 「違いますよ。結婚前に不安から鬱になっちゃうんです。……俺はグーの気持ちがわかります。こんな場所で愛を確かめ合うなんて、普通じゃありません」 間違いない俺の王子は俺を抱え馬に乗せながらローに言う。 「結婚前に不安になった彼は、俺がしばらく預かります」 「リー……」 俺を守ろうとするリーが、なんだか今日は格好良かった。 「二人は、お互いの事をあまりにも知らなすぎてこんなことになるんです。交換日記からやり直してみてください」

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