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五、魔王暗殺計画①

Side:ロベルト・タナカ 触手から音声が出なくなった。 グーに持たせた触手phoneが故障か寿命か、殺されたか。 折角電話で自慰を聞けると楽しみにしていたのだが。 「魔王様、四天王全員が、結婚式で余興をしたいと言ってるのですが」 「浮かれ過ぎだと、却下しろ」 この触手城の一階フロアから四階フロアに部屋を構えている四天王が、協力して何かをするように思えない。どさぐさに紛れて誰かを暗殺するんだろう。 「おかわいそうに、魔王様。ただの暇つぶしで、玩具をからかうためだけの結婚式なのに、玩具と離れちゃって」 「そうだろう。可哀想だ」 執事で、城を留守にする時に番人になってもらっているツォーガネが、ハンカチで目元を押さえている。 吸血鬼の祖で、人間一人の血を全て飲む干すと50年は寿命が延びる生き物。 見た目は10歳ほどの美少年のせいか、俺のタイプではないので隣に居ても襲わなくてすむ。 頭も切れるので傍に居ても何らストレスではない。 「可哀想です。本気じゃないのに、あのグイードとかいう人間、身の危険を感じちゃって面白いし」 「あ?」 にこにこと笑う、腸まで真っ黒なツォーガネを睨む。 「魔王様は、あの人間に本気じゃないでしょ。ほんの50年で死んじゃう玩具に」 にこにこ笑う。 が、なんだろう。確かにそうなのだが、俺が言ってもいいが他人な言うのは妙に勘に触る。 「本気ではないが、俺と同じぐらいの寿命を分けてやっても良いぐらいには気に入ってるぞ」 「じゃあなんで襲わないんですか。すぐ死んじゃいますよ」 にこにこと、笑顔は絶やさず。 そこらへんの頭の悪い人間ならば、このツォーガネの美麗さに騙され、のこのこ血を吸われたかもしれない。 が、今はその美貌さえ気に食わない。 「魔王様、口だけで一向にあの人間にエロい事されないじゃないですか」 「確かに口で抜いたことしかないが」 「そうやって躊躇している間に、また勇者に騙された時みたいに封印されちゃうか勇者みたいに簡単に死なれてしまいますよ」 封印、か。 脱ぎたての勇者のパンツと、勇者が俺の顔を見て号泣する様子が思い出される。 「魔王様は、いつまで初代勇者に操を捧げるのでしょうか。その下半身に秘めている魔王剣は飾りでしょうか」 「セクハラか。お前には刺さんぞ。別に俺は、明日死んでも構わないが、死ぬぐらいなら凌辱したいっていう、乙女魔王だ」 やはり、俺は初代勇者への思いを引きずっている。 それは、もう、隠しようが無いのかもしれない。 初代勇者を、ひんむいて四つん這いにし首輪をつけて散歩したかった。 『も、無理。許して』と可愛く懇願するまで、この下半身の凶器、欲望の覇者、建国闇棒でいっぱい突いてやりたかった。 俺の唾液を呑み込めないと言うまで、キスで注ぎ続けて――。 「あの、脳内妄想だけで実行する気のない魔王様、少し宜しいですか」 こいつ、一度ぐらい殺してやろうか。 「小型触手発信機が、大きく動きました。グイードが、プリチー教教祖のアジトに侵入するようです」 「ぷりちー教?」 「同性婚を認めない、この世界の最大権力を持った宗教団体です」 「……よし。壊滅させるか」

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