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五、魔王暗殺計画②

Side:グイード・アロンソ・デ・メネセス 「グイードちゃん。取り巻きは全員眠らせといたわよ」 「女体化レイニンちゃんありがとうございます!」 「くそ。俺はリーヤー司教を見つけたら、ハレムに監禁、調教したい。探してくる」 「えー。リー、王子様が単独行動しちゃうみたいだからボディガードしてやって」 こんな時に単独行動って、殺人事件現場だったら一番に殺されていたぞ。 仕方なく、俺とレイニンちゃんで、リーヤー司教の母、ルネ司教の隠れ家に侵入した。 国最大の教会と同じ敷地内にあると聞き、探した。 まさかパイプオルガンを退けた下に隠し通路があるとは。 降りて、上がって、曲がって、飛んで、到着したのは一面鏡でできた部屋。 中心に置かれているテーブルには、小さな宝石箱。 その宝石箱には、目が解けてしまいそうなほど輝く宝石が溢れかえっている。 レイニンちゃんはパイプオルガンの前で見張り。 俺は今から、人妻を頂く。 完璧な計画だった。 一面鏡張りの部屋の奥に天蓋付きのベッドがあり、ごそごそ寝がえりをうっているのが見えた。 「こんばんは。貴方をいただきにまいりました」 称号テクニシャンの技を屈し、甘い声でドアの前でそう言う。 少し反応したので、一歩ずつ近づいてくる。 「ルネ司教。神に祈る美しい女性。そのサラサラの髪は、若々しいね」 「まあ」 意外と低い声だったが、俺はまた近づく。 「君のそのはっきりした声は、――俺の名前を呼ぶためかもしれないね」 「まあ」 「そして、その身体は――今宵、俺に抱かれる為にあるんですよ」 ザっ 掴んだシーツを思いっきり引っ張る。 すると、神に祈りを捧げ、信者を束ねる美しい司教さまの身体が――。 「まあ確かにお前に抱かれる運命からは逃れられないらしいな」 「……え?」 シーツをひっくり返したら、何故か触手城に居るはずの魔王がいた。 なぜか魔王が、ベッドに寝転んで俺を見上げていた。 「部屋を間違えました」 ソッとシーツを顔まで隠して戻すと、ソッと部屋の外まで出ようとした。 すると既に入口には、男根の先端を持った触手で囲まれている。 「グー、……貴様、これは浮気か」 ああ、殺される。 世界最悪、最強、ド変態、世界で一番目が死んでる。 そんな魔王に俺は今日、殺されるのか。 俺は膝からがくんと倒れ込み、床に頭を埋めた。 ああ、鏡に映った絶望の俺、イケメン。 「俺だって――! 俺だっておっぱいが、おっぱいが触りたかったんだよ!」 柔らかく、ふっくらして、偶に弾力もあり、温かく包み込んでくれる。 女性特有のおっぱいに、触りたかったんだ。 「そう。仕方ないな。特別だぞ」 何故、ここに貴方が居られるのでしょうか。 その質問は、=死を意味するので、俺は聞けなかった。 代わりに、上の服を脱いで魔王が、素敵な上腕二頭筋なるものを露出し、引き締った身体を見せた。 「『どうして魔王のおっぱいはがっちり硬くて、格好いいの?』我儘な玩具が俺のおっぱいを触りたいからさ」 ひいい。自分で自分に話しかけ出した! 『どうして魔王の下半身には、眠れる獅子ならぬ、眠れる建国闇棒ならびに眠れる暗黒剣がそびえたっているの?』 死んだ目をした魔王が、ベッドから立ち上がり俺の前まで来ると、呪言葉を話しつつ、見下ろしてくる。 裏声で、喋りやがって。 「答えてやろう。お前に奉仕させるためだ。ほれ、舐めろ」 「ひいいいいいい」

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