59 / 86

五、魔王暗殺計画④

「俺も穴ですか!」 「お前は玩具だ」 「……勇者の身代わりの、ですよね」 魔王とは、このまま分かり合えない気がした。 分かり合えないなりに、玩具にされてしまうのか。 何度か話しあった気がするのに、話し合いにならないのだから。 「わかりました」 ガシっ 俺は覚悟を決めて、頬をグリグリしていた狂剣、ならびに闇棒、ならびにTNKを握った。 そして驚く。 大きすぎて片手じゃ、一周しない。 両手でそっと握る。 両手だったら一周するからセーフ。セーフだ。 最早何がセーフか分からないけれど、俺は覚悟を決めた。 「玩具だと言うならば、――玩具になってやりますよ」 恐る恐る、両手で握ったソレに俺は舌を這わせたのだった――。 *** 女性たちにしてもらった記憶を頼りに、舌を唾液で潤わせ下から上へソフトクリームを舐めるような感覚で動かした。 「くすぐったい」 「で、でけーんだよ!」 必死でぺろぺろ舐める。 血管が浮き出て盛り上がって、ごつごつしたソレを舐める。 するとぷくっと先走りが先端に浮かび上がった。 それを指先で何度も拭うと、どんどん溢れていく。 それを潤滑剤代わりに両手に付けて、擦りながら舐める。 まさにガチガチと、硬く熱く、そして塩味で、熱棒。闇棒。 「うーん。手だけじゃあ刺激がなあ」 「何?」 「口で、こうだ」 「――!?」 後ろ頭を捕まえられると、口の中に無理やり入れられた。 奥をガツガツと穿たれ、息が出来ない。 ハーハーっと猛獣みたいな荒い息と共に、床にポタポタと涎が落ちていく。 「ンン……んぅっ」 首を横に振ろうとしてがっちり掴まれる。 苦しい。苦い。 青臭いにおいと共に、口を押し広げられて息が上手く出来なくて、ポロポロ泣いていた。 苦しい。なのに、逆らえない。 「もう少し、上手く咥えられないのか」 パッと手を離され、ズルっと糸を引きながら口から抜ける。 すると俺もゲホゲホと咳こむ倒れ込む。 む、無理。 こんな大きなもの、口の中に入れるとか無理。 顎がおかしくて擦ると、感覚がなく、手も震えている。 でけえ。 魔王、でけえ。 「よし、こいつだ」 魔王が触手を一つ契ると、俺の口の中へ押し込んだ。 噛んでしまった俺は、甘い液体を飲み込んでしまう。 「な、何を飲ませたんだよ」 「忠実な触手の、俺への忠誠心、かな」 にやりと笑うロー。 それと同時に、甘い匂いが部屋中を支配した。 それは、さきほど俺の口の中を散々犯した凶器から放たれていた。 「な、何で――」 「どうした? はやく続けろ。これを舐めるんだ」 魔王が自分の凶器を指先でピンっと弾く。 すると先走りがまたとろりと垂れて、それが蜂蜜みたいな強い甘いにおいを放った。

ともだちにシェアしよう!