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五、魔王暗殺計画⑤

恐る恐る舌で舐めると、苦くない。 それどころか、甘くて舐める度に自分の身体が熱を持ち、反応していなかった下半身さえもドクドクと熱を持つ。 「美味しいだろう?」 は? ちんこが美味しいわけねえ! そう反発したいのに、うっとりするぐらい甘い匂い。 気付けば、ジュボジュボと音を立てて、自分から喉に当てていた。 喉に当たると、先走りが中で垂れる。 ソレが溜まらなくて、何度も何度も。 「グー?」 「お、美味しいです、もっと」 ジュッと吸い付き、飲み込む。 俺はうっとりと魔王を見つめた。 ほ、しい。 もっとほしい、ほ、しい。 喉からじゃ足りない。 身体の熱が、放たれない。 「ろー、俺、身体、あつい、ひどい」 「ん?」 「こ、こわい、このねつ、怖い――」 べたべたになった手で、ローの服を掴む。 快感がこわい。知らない快感が怖くて、俺は目の前の魔王に縋るしかなかった。 「と、めて、止めて――。怖いよ、ロー」 背中に手をまわして、襲ってくる熱から必死で逃げだしたくてローを抱き締めた。 初めて俺から、魔王に手を伸ばしたのは、悲しくも真実で。 ただ俺の意思じゃなくて、魔王の触手の放った媚薬のせいで。 ローは複雑そうな顔で、抱きしめ返したのまでは覚えている。 「どうしてだろうか。――エロくてお前は可愛いのに、今、酷く虚しい」 熱い唇に、噛まれるようにキスされた。 キスと言うには余りに荒々しかった。 けれど唇に集中していたら、ローから伸ばされた手が、爆発しそうだった俺の下半身を触り、中心を握った。 握っただけで爆し、勢いよく放たれた。 ――のに、足りなくて、まだローの匂いに当てられ頭を持ち上げる。 それは、何度も何度も繰り返し。 そのたびにローは何かの儀式かのように優しく扱ってヌいてくれる。 「も、で、ないよ、ろー」 息を吐きながら、涙が零れる。 「も、どぴゅって、で、ない、でも、熱い――」 伸ばした俺の手を、ローが掴んで自分の頬に引き寄せる。 「休め。――熱が冷めるまで傍に居てやる」 なにを、ろーが、おれに、むりやり、ねつをうえつけたくせに。 しりたくなかった、甘い快楽。 抱き抱えられ、ベッドに連れて行かれた。 見上げたローの顔は、今にも泣きだしそうで。 死んだ目は淡い光で揺れていた。

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