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五、魔王暗殺計画⑥

*** 「グー! グー、起きろ、起きるんだ」 「ん?」 気がつけば、俺はベッドに寝かされていた。 起き上がると、泣きだしそうなリーが悲痛な顔で俺を見ている。 あれ? ローのちんこを咥えようとしたところまでは覚えてるんだけど、何だろう。 すっげえローが悲しそうな顔で俺を見ていたような? 「グー……大変言いにくいのだが」 「うん?」 「口の周り、かぴかぴだ。拭いておけ」 リーが優しく俺の口を、濡れたタオルで拭いてくれた。 うん。殺してくれ。今すぐ、殺してくれ。 「ご飯を食べたあと、歯を磨かなかったのか」 が、リーは全く気付いていない様子だ。 逆に不憫そうにレイニンちゃんが泣いていた。 「あの、どうなったんですか?」 俺が辺りを見渡すと、ユージンさんが縄を持っていた。 椅子にしている長髪の男に首輪がしているのも見えた。 「リネ司教はいなかったが、リーヤー司教はゲットした。から、城へ戻るぞ」 なんと、最初に殺されそうな我儘単独野郎が、リーヤー教をゲットしてたのか。 よくみれば、蒼く澄んだ美しい長髪が、四つん這いになっているせいで床に散らばっている。 「ほら、犬。顔を上げろ。救世主グイードさまがお前を見てるぞ」 ユージン王子が首の紐を引っ張ると、苦しそうに顔を上げた。 すると、彫刻のように鼻も高く目も青く、美しい顔の男が涙を溜めてユージンを睨みつけている。 「私の様な、神のご加護を持って生まれた選ばれし人間を四つん這いにするとは、恥を知れ!」 「あはは。リーヤー司教、顔は綺麗で好みなのに、面白い」 「うるさい。無礼者!」 「世界で一番、自分を綺麗だと思ってるでしょ? そんな奴を、ハレムの美少年隊の前で首輪付けて散歩させるのが面白いんだよ」 ユージン王子が、今までに見たことのない生き生きした顔でそう話すと、リーヤー司教はブワッと大粒の涙を流す。

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