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五、魔王暗殺計画⑨
「とりあえず、今のグーの本音を返信してあげたらいいんじゃないのか?」
「リー……」
「季節の花は、この白い花はどうだろうか。『純粋、潔白、純愛』っていう花ことばで――」
窓辺に置かれていた花をリーが指差してくれたのが、俺はどうしていいのか分からないでいた。
世界や結婚式はこのさい、どうでもいいとして。
魔王のあの悲しそうな顔は、確かに胸を引き裂き様な、辛くなるような顔だった。
俺でさえ辛いのだから、本人はどんな気持ちなのか。
あ、『スケベしたい』か。
だが、――なんだかあんな、あんな酷い事をされても、魔王を殺したいとは思わなかった。
「グイードちゃんが返信を迷ってるみたいだから、脱ぎたてパンツ送っちゃいましょ」
「ああ、いいですね。一発で気持ちがわかりますし、魔王は脱ぎたて好きですし」
「え、あの、グー、ちょっとパンツ脱がしていい?」
駄目だ。まともなことを考えようと思っても、環境が考えさせてくれない。
「いや、でもさっきぐちょぐちょだったから着換えさせたから、新しい下着じゃなかったかしら?」
レイニンちゃんがぺらりと捲ると、真新しい俺の下着を見て、ため息を吐いた。
「だめよ。こんな真新しい下着じゃ」
「使用済み系ですか」
「そうね。あのぐちょぐちょパンツをカムバックさせるか、今日一日このパンツ穿いてから渡すか……」
美しい美少年、ツォーガネさんと、黙ってれば巨乳の女体化美人レイニンちゃんが、人の下着について、使用済みとか脱ぎたて持論を展開していってる。
「あの、やっぱパンツの中身が行くべきじゃないでしょうか」
パンツの中身……?
それってつまり、今下着に包まれている俺のこと?
「魔界はレベル80以上じゃないと魔界の空気に押しつぶされるって聞いたけど――」
この中で、レベル80以下は俺だけだったらしい。
皆の視線が俺の方へ向く。
「……でも魔王は俺を待ってるなら、会いに行くしかねえんだよな」
行ってしまったら魔王の機嫌は直るかもしれないけど、期待を持たせてしまうんじゃないかと俺は躊躇していた。
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