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五、魔王暗殺計画⑭

「へえ、じゃあお前が封印したんだろ」 あの魔王を、と思うと改めて前世のリーがすげえと思う。 前世の記憶を全く持ってないまま生まれ変わってしまったので、リーは複雑なのか神妙な顔だ。 「きっと今の俺は魔王を封印することはできないだろうなって思う」 「なんで。しちゃおーぜ。今のレベル見せろよ」 「あん、ダメ」 隠しているが、ふつーにパロメーターを確認すると、既にレベルはMAXだった。 「もー。俺は力が無いから封印できないって言ってるわけでもないし、自分の力を過信してるわけでもないけど、でも無理なんだ」 「なんで?」 もう一度聞くと、渋々口を開く。 「魔王は、グーの恋人なんでしょ? 俺じゃないくて、……君が暴走した魔王を止めなきゃいけないんだよ」 「え、無理」 「でも俺は、君の愛する人を倒したくはないよ」 愛しては、ない。 愛してはないけど、ただあの悲しそうな顔の魔王を思うと胸が痛むので会いに行くだけだ。 最初から理不尽だったし。 口の中犯されたり、キスしたり、身体の方はなんか流されてしまっているけど、俺の気持ちまでは簡単には流され、ない、ぞ。多分。 「でも、魔王は確かに魅力的だよね。殺せないの、分かる」 「は? 魅力的!?」 どこが? 驚いた顔をした俺を見て、リーは驚く。 「え、だって君の方が魔王の事はよく知ってるんじゃないの」 全く。 「あんな、悲しそうな凍える瞳をする人なんて世界中で魔王だけだよ。きっと力がう良すぎて対等な相手が居なくて、常に孤独で、人との関わり方が分からないんだと思う。俺たちは生まれた瞬間から神じゃない。だから学べる。でもきっと、魔王は、生まれ落ちた瞬間から魔王だったんじゃないかな」 「……?」

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