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五、魔王暗殺計画⑰

「おま、お前、俺と戦闘モードになったら一発で即死なんだぞ」 「だが、寝技になったらテクニシャンの俺には、勝てない。そうだろ?」 唇に触れ、その指を首に這わせる。 首をだどり、六角に割れた腹を降りて、ズボンの上から触る。 ……でけえ。 さすが世界最強。魔王と同じぐらいでかい。 魔王のアレをアレした時のあの場面を思い出してしまい、なぜかぞわっと身体が震える。 「ま、まあ、先っちょだけならセーフだろ。女の身体だし、魔王とは穴が違うから兄弟にもならないし」 「グー、何をぶつぶつ言ってるんだ。い、いくら今は君が身体は女性であっても、いや、女性だからこそ大切にしないと!」 うるせえな、だったら本気で抵抗すればいいのに。 口だけは抵抗しても、身体は嫌がってない場合、大体は口を塞いでやればいい。 だから俺もリーの唇を――。 欲求不満、性欲暴走、建国棒咥えちゃったよ事件。 それら全てが、俺を狂わせる。 しかも、リーの身体に吸い寄せられてしまうから――。 これが前世の縁のせいなのかと唇に触れようとした瞬間、大雨に襲われた。 「いっ いて!」 まるで弓矢のように重く早い雨が降り出して、身体のあちこちが痛む。 「こっちだ」 襲おうとした俺を、リーは近くの洞窟まで手を引っ張ってくれた。 や、やだ。握られた手が、熱い――。 胸と手がトウィンクルすると同時に、雷がけたたましい音と共に振りだす。 洞窟に到着するまでに雨、雷、竜巻等ハプニングが続いたがなんとか中へ入れた。 「……空が怒ってるようだ」 リーは空を見上げる。 「もしや魔王がどこかで見ていたのか?」 やばい、もし見られてたら俺、殺される。 でも女体化中だし、仕方ないし。

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