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五、魔王暗殺計画二十一

「魔界には、魔王様になら殺されても良い、踏まれても良い、触手に犯されても良い、椅子になりたいと崇拝している四天王がいます」 「すげえな」 「その四人に常に監視されていると思っていてくださいね」 魔王を崇拝している奴らが……。 って、確か。 「俺の結婚式でリーを暗殺しようと企んでいた奴らか」 「ん? 俺がどうしたの?」 太陽に翳していた角を見ていたリーが呑気に聞いてくる。 が、リーへの対応は誤魔化されるけど、これってヤバいんじゃないか。 勇者を此処に連れてきたら、四天王にやられる? 「リー、帰ろう。お前の身が危ない」 「グーが俺を心配してくれるのって初めてじゃないか」 「当たり前だろ(お前が居ないと俺は門さえ開けられない弱い美しいいきものなんだから)お前がいないと俺はいやだ」 「……グー」 「四天王がいる魔界に、リーを連れてきた俺が悪かった。帰ろう」 「俺は、怖くないよ」 けろっと笑ったリーは、安心させようと俺の肩を叩くと空を見上げる。 「俺の事を、勇者だって街や、国の皆が慕ってくれるだろ。だから俺は皆の希望でありたい。四天王を怖がったりしないよ」 「……リー」 まじで、隙のないほどいい男だ。 一瞬、こいつになら抱かれてもいいと思ってしまった。 女の俺、まじ怖い。 「それは、本当ですね。リカルド様」 嬉しそうなツォーガネの声に、リーは何も疑いもなく頷く。 「それは良かったです。先ほど、魔王様が季節の触手キューピッツの花の花粉を巻きました。先ほどから一面が甘い香りでしょ」 「そう言えば……」 「お約束通り、媚薬です」 口と鼻を慌てて覆うが、ツォーガネさんは首を振る。 「残念ながら、魔王様の趣味で、男性限定です。女体化中のグイード様には関係ありません」 逆に良かった。 けれど、俺は見逃さなかった。 爽やかなリーの顔は媚薬なんて効いてなさそうなのに、下半身には聖剣エクスカリバーが降臨されているのを。 本人の意思関係なく、身体は臨界体制だ。 「え、えー。何これ、恥ずかしいな。どうしよう」

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