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第157話

郁side 寮に戻り、ゆっくりと過ごしているうちにご飯の時間。 春と机を挟んで座り、橋を持つが食欲がなく、ご飯が喉を通らなかった。 その後、春と一緒にお母さんに電話し、あったことを全て話した。 春が悪いわけじゃない。 なのに春は、お母さんと僕に何度も謝った。 春、ごめんね。 僕が弱いから…。 お母さんは、次の日寮へ来てくれて、学校に事情を電話越しに説明した。 すると、赤井さん本人から聞いていると担任が言ったので、自分の耳を疑った。 驚きで言葉を失う。 自主退学という扱いで別の高校へ転校するらしい。 「自分はやってはならないことをした、申し訳ないと手紙を預かっています。」 「…手紙?」 「はい。合わせる顔もないからと。」 「…」 じゃあ何であんなことしたの。 後悔するくらいなら、なんで。 僕じゃなくてもよかったでしょ? 初対面で、イラつきをぶつけられて。 イライラとしてくる。 自分勝手な赤井さんと、役立たずの自分に。

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