157 / 201
第157話
郁side
寮に戻り、ゆっくりと過ごしているうちにご飯の時間。
春と机を挟んで座り、橋を持つが食欲がなく、ご飯が喉を通らなかった。
その後、春と一緒にお母さんに電話し、あったことを全て話した。
春が悪いわけじゃない。
なのに春は、お母さんと僕に何度も謝った。
春、ごめんね。
僕が弱いから…。
お母さんは、次の日寮へ来てくれて、学校に事情を電話越しに説明した。
すると、赤井さん本人から聞いていると担任が言ったので、自分の耳を疑った。
驚きで言葉を失う。
自主退学という扱いで別の高校へ転校するらしい。
「自分はやってはならないことをした、申し訳ないと手紙を預かっています。」
「…手紙?」
「はい。合わせる顔もないからと。」
「…」
じゃあ何であんなことしたの。
後悔するくらいなら、なんで。
僕じゃなくてもよかったでしょ?
初対面で、イラつきをぶつけられて。
イライラとしてくる。
自分勝手な赤井さんと、役立たずの自分に。
ともだちにシェアしよう!