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第24話

暁side もう一度電話がかかってくるのを暗い雰囲気のなかでウズウズと待つ。 ブーブーと机に置いた携帯が電話を告げる。 携帯の持ち主である40代の店員が操作して電話にでる。もちろんスピーカーで。 「・・もしもし。」 「もしもし、室井春です。あなたは?」 「田澤暁。田澤・・・青山奏芽の弟です。」 「郁はどこだ。」 「暴力をされレイプをされそうになってます。」 「どこだ!どこにいる!?」 「山上高校のそばにある三階建ての空き家。2階の部屋に郁さんはいます。俺と奏芽、爽、達がいます。」 「山上高校のそばの三階建ての空き家にいるそうです!!相手は電話しているやつを含め4人」 そばにいた先生にでもその場所を教えているのだろう。少し声が小さめで先程俺が言った言葉を繰り返す。 「…お前も許さない。」 「俺がどうなろうと構わない。逆らえないから。早く助けてあげて。」 その言葉を言うとすぐに通話終了ボタンを押した。 シーンと静まり返った。 「ありがとうございました!これで俺の役目は終わりです。」 「大丈夫っすか?」 若い店員が聞いてきたが何を意味するのかわからなかった。 「何がですか。」 「いやそのー。警察に電話とか。」 「多分相手が通報したと思います。」 「そ、そうっすか。」 チラッと時計を見ると30分以上時間がが経っていた。 「っ!?早く帰らないとやばいのでお金これでいいですか?」 多めのお金を置くと買ったものを持って店を出ようとした。 「おつりは!!」 「いらない!」 後ろから声をかけられたがが振り返らずに言った。 どうせ警察行きの俺には必要ないかなー。なんて思いながら……

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