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第25話

春side 電話で場所を言われてすぐに周りの先生に伝えると、その付近に住んでいる先生が的確な住所を警察に電話している先生へ言った。 そして三人の先生が先にその場へ向かった。 山上高校は奏芽たちの通う飛青高校と俺たちの通う明宮高校の中間地点にある。 ここからでも道が混んでいなければ15分ほどかかる。 早く。早く。郁の顔を見たい。 あいつらの顔を一発でも殴ってやりたい。 その感情を「許さない」という言葉に込めて言い放った。その言葉に相手はわかっているとでもいうような口ぶりだった。 最後には「早く助けてあげて」と。 お前は一体、誰の味方なんだ。 そう思った時には電話は切られていた。 その後早く郁のもとへ向かいたいという気持ちが溢れて、副担任である亀山先生に郁のもとへ連れて行ってくれと言った。 「警察から保護したと連絡があるまで待つべき」 多くの先生がその意見で「落ち着け」だの「冷静になれ」だの言われたが俺は落ち着けるはずがなかった。 「郁が辛い思いしてるのにそばにいてやらないのが1番辛い!!しかも奏芽たちのことは知っているし、これが1度目じゃない!愚痴の1つでも言ってやらなきゃ、この怒りは収まらない!!早く安心させてやりたい!」 そういえば、校長がその場へ行くことを許してくれた。その代わり警察が保護してからだとも言われた。 「それでいいです!」 承諾をして現場へ向かった。

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