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第26話

暁side 急いで戻ると3階の部屋には誰1人いなかった。 先ほど2階で郁さんの喘ぎ声が響いていたが無視してきた。 もしかしたら、遅かったのかもしれない。 その不安がよぎって急いで階段を駆け下りる。 ドアを恐る恐る開けようとすると、爽さんがでてきた。 「あぁ、つき。遅かったな。」 「あ、お、落し物拾って、届けに行ってました。」 「バラしてねぇだろうな?」 「そ、そんなことしません!!自分も危うくなるんですから!」 「だろーな。お前にはそんな根性はねぇ」 そう行ってケタケタと笑った。 そして部屋に入ろうとすれば、 「ストーップ。お前は上で大人しくしてろ。」 「…はい。」 中を見させてもらうこともできなかった。 遅かった。もっと早く帰ってきてあげれたなら、庇ってあげることもできたかもしれなかったのに。 大人しく言われた通り3階へ戻り、自分の臆病な性格に落胆する。 そして心の中で「ごめんなさい」と呟く。

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