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第45話
春side
ケータイが通知を告げたのは5時間目の途中だった。
本当ならダメとわかっているが机の中にケータイを隠し、通知が来たら見れるようにしていた。
5時間目は現代文で眠気と戦いつつ授業を受けているところに陽太さんからのLINEがきた。
「今退院しました。検査では異常なし!これから帰宅します!!ちなみに郁は今のこんな感じです^_^」
言葉と一緒に郁の寝顔の写真が送られてきた。
眠気が一気に吹き飛んだ。
郁の安心している寝顔に俺も安心する。
早くチャイムがなることを祈りながら、ちらっと腕時計をみれば、残り五分となっていた。
時計とにらめっこ。
授業なんて頭に入っていない。
後で復習するからテストは大丈夫だし、なんとかなる。
早く、早く……
10 9 8 …
カウントダウンをしていく。
3 2 1…
キーンコーンカーンコーン
チャイムと同時に号令をして、俺はすぐにケータイをポケットに入れ、トイレに直行した。
1番奥の個室に入り、ケータイを取り出す。
もう一度郁の寝顔を眺めて、返事をすることにした。
「退院できたんですね、よかったです!知らせてくれてありがとうございます^_^写真、即保存しました(笑)郁に6時ごろ電話するって伝えておいてもらっていいですか?」
すぐに既読はつかないだろう。
郁のケータイにLINEすればいいのだが、もし使い方がわからないとかの場合困るから陽太さんに言っておいた。
早く放課後になればいいのに。
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