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第48話
春side
今日が水曜日であることを恨みたくなった。なんせ、火曜水曜木曜は授業が7時間目まであるからだ。
授業がすべて終了して掃除やホームルームを終えたのが5時ごろだった。学校を出て走って帰り、途中で食堂によって夕食をおにぎりにして欲しいと頼んで作ってもらい部屋に戻れば10分程経っていた。
作ってもらったおにぎりはすぐには食べず電話する直前に食べようと決め、テーブルに置いた。
ケータイの充電を確認し、70%だったので一応充電しておく。
制服をハンガーに掛け、半袖と短パンを片手に持ち、カッターシャツとパンツ一枚といった格好ですぐにお風呂に直行した。
5分程で入浴を済まし、左手におにぎり、右手にシャーペンを持ち食べながら課題に取り掛かる。
あと30分もしないうちに郁と電話できる、という気持ちでいっぱいになり課題はスラスラと終わっていく。
課題はギリギリ時間内に終わった。
ふぅーっと一呼吸置いて、ケータイを手に取った。
3コール目に郁が出た。
「…もしもし、春くん?」
「もしもし?うん、そうだよ。遅くなってごめん」
「時間通りだよ。」
「…今日午後から何してた?」
「うーん、ほとんど寝てたかな。」
「そっかー、疲れてたんだな。今は大丈夫なのか?」
「うん、お昼寝したから大丈夫。」
「ん、なら良かった。」
「春くんは学校で何かあった?」
「んー、特に変わったことはなかったかな。しいて言うなら、初めて授業中にケータイいじった」
「えっ。いいの!?」
「良くないけど先生にバレなかったから別にいい。」
「そういう問題なの?」
笑いながら郁が聞いてくる。
その明るい声にこっちまで笑顔になる。
「バレなきゃおけー。」
「もうしないようにね?」
「はーい。」
「…」
急に郁が黙ったのでどうしたんだろうと呼びかけた。
「郁?」
「うん?なに?」
「いや、急に黙ったから」
「春くんとこうやってお話しできて嬉しいなぁって」
「俺も嬉しいよ。…郁?」
「ん?」
「…春って呼んで?」
「う、うん、わかった。…はる」
「もう一回」
「は、春!」
「…やっぱりそうやって呼んでくれる方が好きだなぁー。」
「じゃあ、そう呼ぶね?」
「うん」
それからいろんな話をした。
郁がずっとケータイ越しにクスクスと笑っていてすごく安心した。
体の痛みはまだあるようだけど、生理痛はないらしい。
郁の笑顔を間近で見たい…。
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皆さんこんばんは。
春丘梨兎です。
人物まとめ集の変更点についてです。
「春、郁、真羽、俊」4人の身長と誕生日を追加しました。
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