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第71話
春side
「はーる!お昼食べよー」
「どこで食べる?」
「んー、教室は無理そうだからなぁー。中庭に行く?あそこ影あるからいいと思うんだけど」
四階の窓から中庭を覗きながら真羽が指差した。
「あそこならいいんじゃないか?どうだ、春」
「どこでもいいよ」
「じゃあ、決まり!!」
一階まで降りて売店でパンを買って、中庭にある紙パックの自販機でカフェオレを買った。
真羽が指定した場所は、ちょうど建物の影になっていて風も吹いているからちょうどいい涼しさだった。
3人でベンチに腰掛ける。
「…あー!いちごみるく最高!!!」
「ほんとそのいちごみるく好きだな?」
「うん!いちごみるくはこの会社のじゃないと受け付けない!」
「徹底してるなあ…」
「うん!」
3人ともバラバラのパンを選んだ。
「俊ー、その新作パン一口ちょーだい?」
「ん。」
「あーんっ。……おいしっ!なにこれ。」
「ハムマヨベーコンチーズ」
「…ハムとベーコン一緒に入れる意味あったのか、それ。」
「春!これは全部ないと美味しくない!」
「まじ?」
「まじ…うまいよ。春も食う?」
「いや、また買うわ」
「そう?ならいいけど。これ、うまいわ」
「次楽しみにしとく。」
「ぜひぜひ!!」
真羽の賑やかなテンションのおかげもあってか、なんとなく沈んでいた気分が普通になりつつあった。
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