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第177話

俊side いつも通り入浴をすませてから夕食を4人で食べ終え、それぞれの部屋へ戻る。 真羽は一足先に課題を終わらせていたのか、耳にイヤホンを付けてスマホでゲームをしている。 その間に自分も課題を済ませていく。 終わりが見えてきた頃、「先に寝るね」と声がして振り向けばもう布団の中だ。 最近真羽の様子がおかしいことは分かっていた。 なぜなのか理由を探るために様子を見ていたが、思い当たることといえば、真羽といる時間が少なくなったこと。 もう少しすれば前よりも時間ができる。 けれど、この状況で放置することはできなかった。 残りの課題を終わらせ、そっと真羽の顔を覗き込む。 すぅすぅと寝息を立てて眠っているのを確認してからそっと部屋を出た。 隣の部屋をノックする前に春がドアが開けてくれた。 「隣のドア閉まる音聞こえたから、そうかなーと」 「真羽が寝たから」 「あぁ」 部屋の真ん中にあるテーブルを囲うように3人で座る。 「…真羽のことなんだけど、なんかあったかなーと」 「んー、俺らとだいたい一緒にいるけど特に変わったことは無いよ」 「うん、でも空元気な感じは少しする」 「郁もそう思う?…最近、行き帰りとか休憩中一緒にいれないから」 「体調悪いわけじゃなさそうだしな。」 「ちゃんとご飯食べてるし寝不足な感じもないもんね」 郁の言葉にそれぞれが考え込む。 「……あ。」 無言が続いて、春が思い出したかのように顔をパッとあげた。 「ん?なに。」 「俊、最近チューした?」 ストレートな物言いに「は?」と俊は低い声を出して、何を言い出すんだというような目で見る。 「何聞いてるの春!」 「いやー、何となく勘だけど。同じような感じになったら郁なら絶対一緒にいたくても我慢するよなーって思って。」 「あぁ、そっか。すごい単純な話か…」 「単純って、お前なぁ」 「ごめん。なんて言うか、今までこういうのってあんまりなかったから、どうしよって感情が先行しちゃって。」 「真羽としっかり話してね」 「うん、ありがと」 悩みが解決したあとは、最近一緒にいない間に真羽がどうしてるかいろいろ聞いた。 明日、ちゃんと話そう。 生徒会のやることに期日はあるけどそう急ぐものでもないから、明日ぐらいどうにでもなる。 さっき聞かれた春の質問が頭の中をよぎる。 いつだっけな、最後にキスしたの…

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