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第76話
郁side
返事をする間も無くパタンとドアが閉まった。
僕はなぜか声をかけづらくって春の服の裾を少し引っ張ることで気づいてもらおうとした。
「どうかした?」
春はニコニコとしながらこちらの顔を覗き込んだ。
「あ、…えっと…」
「ゆっくりでいいよ?」
「……一緒に……お風呂入りたい」
春と離れたくなくてそう言った。
「ん、いいよ」
「ほんと!?」
春が普通にOKしてくれたことが嬉しかった。
「うん。別に恥ずかしがることでもないし、郁と離れたくないから」
春も同じ気持ちで居てくれたことで僕は嬉しくてどうにかなりそうだった。
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