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第85話

春side 4人リビングでテレビを見始めた。 10分も経たないうちに郁はまたうつらうつらし始める。 それでも無理やり目を覚まそうとしていた。 「郁、寝る?」 「ううん。」 「なんで?」 「眠くない」 「そんなにウトウトしてるのに?」 「…うん」 少し間があった。はじめから嘘だとわかってはいたけど、ここで間があったら眠いと言っているようなもの。 「嘘。…もう寝よっか。」 「……うん」 「我慢とかしなくていいからな」 「…ごめんなさい」 郁の頭を撫でた。 俺の上に座っていた郁は降りようとしたけど、俺はそのまま抱き上げた。 「えっ、ちょっと春っ!」 郁が腕の中で暴れる。 けどその力はすごく弱いから、そのまま無視して了さんと陽太さんに「おやすみなさい」と言って郁の部屋に向かった。

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