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第91話

春side 朝食を済ませのんびりとしている時に、家に帰る話を切り出した。 「郁、少しだけ家に顔だしたいと思うんだけど、郁どうする?」 「え?……」 俺と郁の家は徒歩五分ほどの距離。 昨日陽太さんが「郁は退院してから外に出たがらない」と言っていたから、郁が嫌だといえば行かないつもり。 「…行こうかな?」 「そ?なら支度するか」 「うん。」 一度リビングを出て郁の部屋へ戻り準備を済ませ、再びリビングへ戻ってきた。 時計を確認すれば、現在9時50分過ぎ。 10時にはいけると思う。 肩掛けカバンに財布とケータイ、タオル、UVカットの長袖パーカーをいれたのを確認して「よしっ。」と呟いた。 「じゃあ行ってきます。」 「行ってきます!」 「行ってらっしゃい」 「行ってらっしゃい。気をつけてね。何かあったら連絡ちょうだい」 「はい。いってきます」 そして郁の家を出た。

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