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第180話
俊side
授業終了のチャイムがなり、号令もそこそこにそれぞれ短い休憩に入る。
「春、どういうこと」
「昼休み、入ってすぐ真羽が机に顔伏せてたから声掛けたら、めちゃくちゃ顔が白くて。」
「…無理して授業受けたんだろうな。」
「多分な。それで保健室連れて行ったら、微熱だったから帰ろうかって話になって」
「そっか…」
二人で話していると郁がひょこっとそばに寄ってきた。
「やっぱり俊に連絡してなかったかぁー」
「ん?」
「俊に伝えてくるって言ったら、自分でLINEするから大丈夫って」
「…あー、そっかー。」
「ケンカでもした?」
「いや、そういうのじゃない。なんだかんだで寂しがり屋なのにそれを隠すんだ。大丈夫って…全然大丈夫じゃないのに」
「最近俊はバタバタしてるしな」
「そ、それが問題。寮にいても勉強したりであんま話す時間もなくて。今日こそ話そうって思ってたのに呼び出されるしで、ほんと最悪…ってただの言い訳か」
「で、どうすんの?」
「早退したいけどさすがになー」
「授業終わってすぐ帰れば?帰りのホームルームくらいどうにでもなるだろ」
「そーするわ」
あと残り1時間。されど1時間。
早く経つことを祈る。
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