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第122話
春side
郁をベットへ移す。
ここ最近の様子の変化に不安を抱く。
起きたら、何があったのか聞いてみようと思う。
とりあえず、課題をさっさと終わらせよう…。
集中して周りが見えなくなってしまうことが時にある。
後ろから服を引かれ驚いた。
「…はる」
「っ…郁。目、覚めた?」
郁の方へ振り返り、手元に置いていた腕時計を見る。
「ぅん…」
「お腹空いてない?」
「空いた」
「じゃ、食べよっか。」
「春、ごめんなさい。」
「なんで謝んの?」
「さっきの事、とかご飯食べれてないこととか。僕のことで迷惑かけてるから」
「迷惑だと思ってもないし、今は課題やってて時間見てなかったのもあるし、郁が気にするようなことじゃないよ」
「でも…」
「はい!この話は終わりな?」
「うん…」
ポツリポツリと会話をしながら少し遅めの夕食を終える。
いつもなら食器を俺が洗って郁がそれをふくが、今日は何故か自分一人でやると譲らなかった。
「気にしなくていいのに。」
「やりたいから、やってるだけだよ」
「…郁、それ終わったらさ、…少し話しよっか」
「え?……うん…分かった…」
郁は一瞬顔を歪めて、下手くそな笑顔で返事をした。
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