122 / 201

第122話

春side 郁をベットへ移す。 ここ最近の様子の変化に不安を抱く。 起きたら、何があったのか聞いてみようと思う。 とりあえず、課題をさっさと終わらせよう…。 集中して周りが見えなくなってしまうことが時にある。 後ろから服を引かれ驚いた。 「…はる」 「っ…郁。目、覚めた?」 郁の方へ振り返り、手元に置いていた腕時計を見る。 「ぅん…」 「お腹空いてない?」 「空いた」 「じゃ、食べよっか。」 「春、ごめんなさい。」 「なんで謝んの?」 「さっきの事、とかご飯食べれてないこととか。僕のことで迷惑かけてるから」 「迷惑だと思ってもないし、今は課題やってて時間見てなかったのもあるし、郁が気にするようなことじゃないよ」 「でも…」 「はい!この話は終わりな?」 「うん…」 ポツリポツリと会話をしながら少し遅めの夕食を終える。 いつもなら食器を俺が洗って郁がそれをふくが、今日は何故か自分一人でやると譲らなかった。 「気にしなくていいのに。」 「やりたいから、やってるだけだよ」 「…郁、それ終わったらさ、…少し話しよっか」 「え?……うん…分かった…」 郁は一瞬顔を歪めて、下手くそな笑顔で返事をした。

ともだちにシェアしよう!