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第125話

郁side 春の腕の中にある、ほっと安心するぬくもり。 僕の大好きな場所。 なのに…… 今は胸が締め付けられるように痛かった。 春に嘘をついて、僕は何がしたいのかと一瞬よくわからなくなってしまった。 春の優しさが、苦しい。 ごめんなさい。 ごめんなさい。 僕のわがままを許してください。 春じゃない人に抱かれて、汚れた僕を好きだと言ってくれる春。 でもね。知ったからには僕は僕でいられないから。 みんなごめんなさい。

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