125 / 201
第125話
郁side
春の腕の中にある、ほっと安心するぬくもり。
僕の大好きな場所。
なのに……
今は胸が締め付けられるように痛かった。
春に嘘をついて、僕は何がしたいのかと一瞬よくわからなくなってしまった。
春の優しさが、苦しい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
僕のわがままを許してください。
春じゃない人に抱かれて、汚れた僕を好きだと言ってくれる春。
でもね。知ったからには僕は僕でいられないから。
みんなごめんなさい。
ともだちにシェアしよう!