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第128話
春side
チャイムが鳴り、朝のホームルームが始まる。
担任とともに入ってきた人は、誰もが固まるほどに小柄でかわいい子だった。
「今日の日直はー…波輝だな。号令を…」
「…起立……気を付け…礼……」
『おねがいします』
「着席」
「……ホームルームを始める前に、このクラスにメンバーが一人増えることになった。……赤井未亜(あかい みあ)さんだ。自己紹介頼むな」
「…赤井美亜です。父親の転勤で一緒に引っ越してくる予定だったんですけど、まぁいろいろあってこの時期になっちゃいました。これからよろしく願いします!!」
第一印象は、とにかく明るくポジティブでお調子者と言った感じだ。
「じゃあ、赤井さんの席は…真ん中の室井の横の席な」
「あそこですか?」
赤井さんが指をさして言ったことに、先生がうなずく。
そして赤井さんはこちらをチラッと見た。
「窓側って…」
「あぁ、あの席は冬城さんの席。」
「そうなんですねー」
もう一度こちらを見てニコッと笑ってきた。
「わかりました。」
そう言って、おとなしく俺の右隣に着席する。
正直、ほとんど見た目だけだが少し苦手な部類のような気がした。
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