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第129話

春side 隣の席の赤井さんはニコニコとこちらを見てくる。 「あー、俺は室井。宜しく」 「よろしくね!」 「あぁ」 俺の笑顔はきっと引き攣っている。 「室井くんは彼氏いる?」 その質問にさらに顔を引き攣らせ、だんだんと曇らせた。 「それ初対面の人に聞くこと?…別にいいけど。居る。だからどうかした?」 基本的に俺は誰とでもうまくやっていこうとする。 けど苦手意識を持ってしまえば別だ。 「なんか冷たいね」 「別にそうでもないけど」 「朝は楽しそうに波輝くん?と後…あの人!と話してたのに。」 そう言って俊と真羽を指さした。 「あー、うん。だからどうかした?あいつらとは仲いいけど、赤井さんとは今あったばかりなんだし当然じゃない?クラスメイトとしか考えてないんだから。」 「あ、でも」 「あのさ、ハッキリ言うけど本当にクラスメイトとしか見てない。しつこい。俺が話すの嫌がってんのがわかんない?周りを見てないにも程がある。自分中心に世界が回ってるわけじゃないんだから人の気持ちも考えくれないかな?」 ぽかんと口を開けていた。 そりゃそうだと思う。 少し鬱陶しく感じて言ってしまった。 とりあえずケータイを取り出した。 チャイムが鳴ってホームルームの終わりを告げる。 「じゃあ、波輝、卯月。」 「…は、はい!」 「なんですかー?」 「赤井の寮のこと頼んでいいか?」 「え?」 「ルールとかは教えたんだが、一応な」 「はーい」 「分かりました。」 ということで、俺も一緒に付き合わなきゃいけないのか。 …ついさっきまでそばにいたのに、早く郁に会いたい。

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