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第138話

春side 俊は眉間にしわを寄せ、真羽は手で“ごめん”と謝ってきた。 そう… 俺に声をかけてきたのは赤井さん。 なぜこの人がここまで俺に構ってくるのか謎だ。 天然で気づいていないのか、わざとやってるのか。それとも、ただのポジティブ人間なのか。 理由は考えたくもない。 しかも、何サラッと俺のこと名前で呼んでんの… 寒気しかしないんだけど。 「…おーい?聞いてる?」 目の前で手を振って聞いてくる。 「…はぁ…..…で、何のよう?」 「とくにないよ?見かけたから声かけてみただけ。ところでさっきの子、大丈夫?苦しそうにしてたけど。」 「…大丈夫だけど。」 「良かったぁ!!心配してたんだよ!春は戻ってあげて?」 「あ、あぁ、うん。」 赤井さんが話し始める前に真羽が俺との間に割って入った。 そして“早く”と口パクでいってくれた。 「じゃ、ごめん。また。」 「えー、もう行っちゃうの?まぁいっかー。じゃあまた明日ねー!!」 まさか会うと思ってもみなかったから、真羽に感謝だ。 後でお菓子でも持っていこう…

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