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第142話

春side 朝、俺が起きる時にはまだ寝ている郁が既に起きていた。 「…おはよ…、はやいね」 まだ寝ぼけた頭を起こそうと郁に声をかけた。 「あ、春!おはよ!食堂いこ!」 …………ん?郁はなんて言った? 「もう1回いって?」 「?…食堂いこ?」 こてんと首を傾けて、繰り返し言った。 「えっ、」 郁のその一言で一気に目が覚める。 「む、むりしてない?」 「してないよ。行きたいなぁと思って」 その言葉に口をポカーンと開けて、一時固まってしまった。 「春?…おーい、はーるー?」 「あ、ごめ。……何かあったらすぐ部屋戻るから。それだけ約束。」 「うん!」 なぜかとても元気な郁。 昨日のあったことが不思議なくらいだ。 なんの心境の変化か分からないけど、郁がそう言ってチャレンジしたいなら、俺は一緒にそばにいて支えてあげるだけ。

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