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第149話

郁side まさかクラスメイトにバッタリと出会すと思ってなかった。 でも、心配してくれてたことが嬉しくて、頑張ろうと思った。 早くいろんな恐怖を克服して学校に来たい、春と。 教室につき、僕は数か月前の記憶と照らし合わせた。 「懐かしい…」 そう呟けば、春が振り返り「あれから席替えしたんだよ」と教えてくれる。 「僕の席はどこになったの?」 「ここだよ」 「となりー」 春がガサガサ自分の机であろう場所を探りながら答える。 春の席は一番後ろの窓側から二番目。 「角の席?」 「うん、そう」 「…そっかー」 自分の席であると教えてっくれた場所に座る。 すると同じように春も椅子に座った。 久しぶりのこの感覚に喜びと罪悪感が入り混じる。体を前に倒し、こちらを見る春。 「…あー、なんか寝そう」 「探し物は見つかったの?」 「…うん、あった。」 「……ねえ、春。」 「どうかした?」 「もう少し、こうしててもいい?」 「あぁ、ゆっくりすればいいよ」 「ありがとう…」 教室を再度見渡す。そして、運動場を見下ろす。夕日が差し込んでまぶしい。 何もかも、僕の知っている光景。 後ろからガタンと春が動く気配がしたと思えば、抱きしめられた。 「…何で泣いてんの?」 「…えっ?」 僕は自分の頬から流れる雫に触れた。 「な、なんでっ」 服の袖で拭こうとすれば、春に制止される。 「赤くなるから」 そう言って差し出してくれたハンドタオル。その優しさに心苦しくなった。 僕が流す、その涙の意味は、僕が一番よく分かっていた。

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