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第21話

「いい加減天城の足を離してやってくれませんか?」 え?火爪さん? 俺の足掴んでる奴の正体を知ってるんですか? 火爪さんの声に応えるかのように、ベッドの下から俺の足首を掴んだまま、ズルズル這い出てきたモノ・・・・・・ 「え?子供?」 思わず目を疑う。 え?ちゃんと足もある。 「コレがうちのリーダーだよ、天城」 「紅刃、自分とこのリーダーに向かってコレって言っちゃダメだろ」 り、り~だ~? は?ちょっと待って・・・・・・ 俺の足掴んでるのって・・・・・・・・・どう見ても小学低学年くらいのガキでしょ? なんでベッドの下から? ってか、いつまで俺の足掴んでんの? 「紫龍から天城くんの目が覚めたって聞いたから」 「え?ちょっ!俺落ちるっ!」 漸く足から手が離れ、ぱんぱんっと衣服についた埃を払い落として、紅刃と俺の間に割って座った。 床に足がつかず、プラプラ揺らして・・・・・・ ベビーフェイスな爺ちゃん? いや、どっからどう見ても・・・・・・・・・ガキだ。 「天城くんの様子を見に来たんだよ」 俺の髪を撫でながら笑ってるけど、目元は笑ってない。 じっと見られてる。 居心地悪いな。 火爪さん達の上に立ち、それらを管理してる人なんだからただのガキじゃない、ってことなんだよな。 その可愛らしい顔立ちを利用して、大人達を思いのままに操る、とか? 突然ガキの指がむにっと俺の頬を抓った。 「天城くん、僕に対してず~っと失礼なこと考えてない?」 「ま、まひゃか・・・・・・ふぉんなわふぇあいまふぇん」 俺の考えてることが読まれてる? ふにふにと力を入れたり、緩めたり、そんな手を・・・・・・紅刃が掴もうとして、ガキが素早く手を引込めた。 「紅刃、嫉妬深い男は嫌われるぞ?」 ふふんっとドヤ顔のガキがスッとベッドから飛び降りる。 「大吾が久しぶりに料理してるって聞いたから、そのついでに寄ってみたんだけどね?」 大吾? さっきの白衣の熊男のこと? あの人本当に料理出来るんだろうか? 槍とか棍棒とか振り回して狩りをするってんならイメージも湧くんだけど・・・・・・ 「今天城の為に厨房で腕を振るってるはずですけど?」 中途半端に浮かせたままだった手をプラプラ振って、紅刃が答えてる。 「そうか。じゃぁ、紅刃、大吾の様子を見て来てくれ・・・・・あとどれくらいでココに運んでこられるのか」 「はぁ?なんで俺が!」 「お前今暇だろ?」 「暇じゃないです!俺は天城のっ!」 俺の? 「紅刃、僕の言う事が聞けないかい?」 「う゛・・・・・・・・・」 チラッとこちらを向いた紅刃と目が合った。 俺は火爪さんの腕の中でその視線を受けたわけだけど・・・・・・ そこから動けなくなってる紅刃に向かって、いってらっしゃいの意味を込めて手を振ってやった。 俺なら大丈夫だ。 火爪さんがいるし・・・・・・そんな顔するな。 ガックリ肩を落とすな! 「紅刃、俺待ってるから」 行っておいで。 よく黄馬にもこう言ってやったなぁ。 紅刃と黄馬、実は思考回路が似てるのかもな。 紅刃の機嫌が上昇していくのが手に取るように解る。 「天城・・・・・速攻行って速攻戻ってくるから」 分かったから、早く行け。 じゃないと、このガキに何されるか解らないぞ? ガキから早く行けという圧力を向けられた紅刃にちょっぴり同情しつつ、半泣き状態で飛び出して行った紅刃の背中を見送った。 まぁ、待ってるのは紅刃じゃなくて・・・・・・ごはん。 また俺の腹が啼いた。 ガキがクスッて笑った後、コホンッと一つ咳払い。 「さて、天城くん・・・・・・これからの君についてなんだけど」 先程までの空気からガラリと変わり、ピリッとした気配が肌を刺した。

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