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第54話 【 灰邑 零の場合 】
【灰邑 零の場合】
※ ご注意ください!
ジタバタ手足を動かして、そのうちの数発コイツの身体に当たってるのに。
涼しい顔して・・・・・・痛いくせに!
ちょっとはダメージ食らったって顔してみろよ、そうしたら、ちょっとだけ、本当にちょこっとだけ可愛がってやるのに!
「時間がないと言ったろ」
ドサッとベッドの上に落とされた。
時間がない、なんてそんなのアンタの都合だろ?
僕がそれに合わせてやる義理なんてない!
ベッドに降ろすなら、もっとそっと、優しくしろ!
文句言ってやろうと大口開けたら、そのまま僕に馬乗りになって僕の口を自分の口で塞いだ。
顎を掴まれたから侵入してくる舌に噛みついてやることも出来ない!
「んぐっ、ふぁ・・・・・ァ・・・・・ンァ」
待て待て待て!激しいから!
落ち着け!
しっかり後頭部を押さえられてるから逃げられない・・・・・・
舌を絡め取られて、だんだん思考が蕩けていく。
こんな奴でも僕の番だから・・・・・・いくら抑制剤を飲んでいても、求められれば身体は応えようとする。
抵抗していた力は、徐々に抜けて・・・・・・・・
「零」
熱い吐息と共に名前を呼ばれれば身体が悦びに震えて・・・・・・
「零、愛してる・・・・・・零、零、零」
うるさい・・・・・ちゃんと聞こえてる。
ただ、息が上がって返事が出来ないだけ。
背中に回した手の指先に力を込め・・・・・・コラ、僕の服を脱がせる前に自分の服を脱げ!
爪が刺さらないだろぉがっ!
「・・・・・ァ・・・・・・ンッ、はっ・・・・・・んぁ」
馬鹿!胸を弄るな!
ビリビリする・・・・・・腰が浮く・・・・・・ダメだってば、ダメだって!
身体の中心に熱が溜まっていく・・・・・・
胸の突起をぴちゃぴちゃ音を立てて舐めるな!
ヤメ・・・・・・ぁ・・・・・・気持ち、イイ・・・・・・
「零、好きだ・・・・・・愛してる」
触れられた所が痺れていく・・・・・・
全ての衣類を剥ぎ取られた頃、抵抗する気力はすっかり失せていた。
ベッドの上で、ぐったりと身体を沈めて見上げる僕を・・・・・随分余裕のなさそうな顔で見下ろしてくる。
「零、俺の名前は?」
耳元で囁くことか?
名前?なまえ、はぁ・・・・・・・・知ってるから・・・・・・・・・
「・・・・・・いち・・・・・・・・・やぁ?」
十六夜一夜、冗談みたいな名前・・・・・・名字がイザヨイで、名前がイチヤ・・・・・・・
僕の番の名前・・・・・・一夜。
「そうだ・・・・・・名前を呼べば、もっと気持ちよくさせてやる」
上から目線・・・・・・なんかムカつく!
主導権を握られてるのは分かってるけど・・・・・・いやいや、それはいつもの事だけど!
「いっちゃぁ!ひゃんっ!」
馬鹿!名前を呼んでほしかったら、いきなり握るな!
ビクンッと大きく腰が跳ねた瞬間に一夜の腕が回って・・・・・・
「一回イッとくか?」
つよ・・・・・・イ・・・擦るな・・・・・・ダメだってば、そんなに・・・・・・すぐ、イッちゃうから・・・・・・
「随分辛そうだな、零」
「・・・・・・っるさい!いちっ・・・ひぁっ!ンンンッ!」
馬鹿!咥えるな!
全身に電撃が走ったみたいに、視界にチカチカと星が飛んだ。
「声は我慢するな・・・・・いつも言ってるだろ?」
咥えたまましゃべるなっ!
息が・・・・・・舌が・・・・・歯が当たって・・・・・・・ヤバいんだってばっ!
「ぅ・・・・ンン・・・・・・・ン」
声を我慢するのは、いつもの事だろ!
ちょっとでも一夜に抵抗をしているだけだ・・・・・・無駄だって解ってるけど!
イヤイヤと首を振って、枕に噛みつく。
声を出さないって言う意思表示!
いったい、こんなテクを何処で知ったんだ?
強かったり物足りなかったり・・・・・いつも、お前に好き勝手されて・・・・・・・僕はっ!
「零、もう爆発しそうだ」
うるさいっ!
だったら、さっさとイカせてくれよ・・・・・・一回イケッて言ったろ?
有言実行しろぉ!
「ギリギリまで我慢してからだと・・・・・・」
何言ってるんだ?
もう十分我慢した・・・・・・もういいだろ?
一夜が手を離してくれたら・・・・・・離して・・・・・・・・
「いちやぁ・・・・・・ァ・・・・もぉ・・・・・・・・イキ、た・・・・・・っ」
目尻から涙が零れて、一夜が舐め取る。
そんなのどうでもいいから、手を離して・・・・・・一夜!
「次がいつになるか解らないんだから・・・・・・一回一回を濃くしていこうな、零」
こ・・・・・・く・・・・・・?
何が?
何を?
は?
一夜の言ってることが理解できない。
ドS一夜が発動してるのは解るけど・・・・・・いっつも途中から好きだとか、愛してるとか言わなくなる。
僕は今、一夜のそんな言葉が欲しい・・・・・・・
その言葉をくれれば、我慢できるから・・・・・・・・・だから・・・・・・
「いち・・・・や、ア・・・・・・愛しっ・・・・・て・・・・・・・んぁ」
「俺も愛してるよ、零」
だから・・・・・・・イカせて・・・・・・・・・
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