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三、免罪符と運命⑩

 俺が気を失うまで、達して頭真っ白になって体力奪って、思考停止するまで。 「――っ」  口の中で放つと、生徒会長は表情も変えずに飲み込んだ。何度も放っていたので、粘り気はなかったのかもしれない。女の子たちは、喉に引っかかって飲み込めないと言っていたのに、こいつは易々と飲み込んだ。 「次は?」  平然と唇を舐めながら、俺の指示を仰いできた。でも、座り込んだやつのズボンが膨らんでいるのが分かった。 「……番だから、男のチンコ舐めても興奮しちゃうわけ? きっも」  足で踏みつけると、足を捕まえれ、首を振られた。 「俺が君に惚れているからだ」  冷たい目だと思っていた。俺がはしゃいでると、すぐに飛んできて嫌味を飛ばしてくる奴。  何かと俺に目を付けて、いちゃもん付けてくる奴。色素が薄いから染めてるみたいに見えると文句言ってくるのがうるせえ。じゃあ、金髪にしてやると宣言すると、さらに小言が増えた。 「俺の事嫌ってるからレイプしたんだろ」 「すまなかった」  踏みつけて、二度と俺にチンコを入れないように何度も何度も踏みつけたいのに、びくともしなかった。 「すまなかった」 「ふざけんな。手を離せ」 「俺と結婚してくれないか」 「ふざけんなっ」  何日もろくに食べていない俺の力では敵わなかった。足でけるのは諦めた。 「セフレでいいなら。ヒートの度に道具になってくれるだけの関係ならな」  結婚。  馬鹿じゃねえの。 「お前みたいな病院の跡取りが、散々今まで馬鹿にしていた俺と結婚するわけねえよ。釣り合わない」 「オメガもアルファも、上も下もない」  レイプされる前に聞いていたら、感動してやったのに。  お腹の中に注がれるたびに、もう終わりか、もう解放されるか、何度も何度もこれで終わりであってほしいと願ったのに、猿みたいに腰を振って。最期は噛みつきやがったくせに。 「……うるせえって。俺がヤりたいときに十万。お前が社会人になったら値上げしてやる」  また顔を持ち上げて、先端から先走りがとろりと落ちていく。  こんどは手でしごけと命令すると、言われたとおりに握ってきた。  恐る恐る握ったその手に、笑いが込み上げる。 「あのさあ、レイプしたときみたいにもっと乱暴にしなよ。そんなんじゃ、気持ちよくねえよ」

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