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六、運命交差 ⑧
行く資格がない。どんな気持ちでいけばいいのか分からない。
認めたくない。まだ信じたくない。
夢かもしれない。
でも家には誰ももういない。帰ってこない。
手続きが色々面倒くせえ。
行きたくない。
でも行かないと家族として最低だ。
でも行かなきゃいけない。
利圭は、何度も震える声でそう伝えてきた。何度も何度も。
利圭の中にはまだ答えが出ていない。そして踏み出す勇気がないようだ。
「どうでもいいやつと番になって、金貰ってエッチしてる俺でも、会いに行っていいのか」
「……じゃあ止めれる?」
利圭が生徒会長とどんな契約を交わしたのかは僕は知らない。
でも利圭は涙をためて首を振った。
「あんなクソ、金もらわないセックスは絶対にしない」
「……まず利圭は自分のことを一番に優先しよう」
二度と利圭が無茶するところを見たくない。
利圭はまだ「行かなきゃ、行きたくない、行かないと」と呟いていたが、僕が心配そうに顔を覗き込んでいたせいか、すぐに力なく笑った。
「そういえば、壮爾はまだ自然なヒート来てねえんだよな」
目をごしごし擦りながら笑う利圭に、僕も話を合わせようと苦笑した。
何も力になってあげられなくて歯がゆい。
弱い部分を利圭が見せてくれたのに、何を言えば正解だったのだろうか。
「壮爾ってば。俺の話、ちゃんと聞けって」
「んん?」
「ヒート、まじエッチ気持ちいいから。あいつら道具のように使えば、まじで数日間理性吹っ飛んでハイになれるぜ」
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