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2.6
1度受け入れてしまったら止まらなかった。
エレベーターの中で口を重ねられても
抵抗ひとつできないどころか、むしろ自分から
腕を巻きつけてねだった。
部屋に入って、ドアが閉まって
勝手に鍵のかかる音を聞きながらも
激しく口内を犯されて
部屋のなかにドラマで見たような
荒く卑猥な呼吸とリップ音が響いて
完全に思考はストップした。
Tシャツを万歳で脱がされて
ズボンに手をかけられて、ベルトを外される時も
羞恥心よりも高揚感の方が強くて
九条さんのしてくれることを
じっと見守った。
「シャワー浴びたい?
一緒に浴びる?」
小さな子供をあやすような
優しい声で聞かれて
俺は、ただガクガクうなずく。
服をそこらじゅう 脱ぎ散らかして
やたら広い浴室に2人でなだれ込む。
九条さんがシャワーで回りを流しながら
水からお湯に変わるまで待つ間も
厚い胸にしがみついて離れなかった。
肌が離れてしまったら、我に帰ってしまいそうで
体を見せるのも恥ずかしい。
自分が見るのも恥ずかしい。
暖かいシャワーを肩からかけてもらうまで
目をぎゅっととじて待った。
「そんなくっついたら洗えないじゃん」
九条さんが笑った。
ボディーソープのボトルに手を伸ばして
ほら、と俺の手に垂らす。
九条さんは、自分の手に取ったソープを
俺の背中に塗りつけるようにして
手のひらで優しく洗い始めた。
俺は真似して九条さんの背中を
抱き合った状態で洗おうとしたけど
泡立って滑った感覚が、やたら気持ちよくて
ちょっと擦れただけで達しそうになってしまう。
「いいよ、1回出しな」
九条さんがクスクス笑いながら言った。
恥ずかしくなってうつむくと
顎を掴んで上を向かされる。
ねっとりと唇を舐めあげられながら
九条さんの中心を、おれ自身にグリグリ
擦り付けられた。
「…っぁ、あん」
ー たったこれだけの動きなのに、どうしよう
スゴい、気持ちいい
九条さんの手が下半身に伸びて
ユルく扱かれて、股が震えだす。
「アッアッ…で、出ちゃうっ!…」
九条さんの腕にしがみついて
あっけなく熱を放った。
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