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2.13

「お前が握ってくれたらすぐ勃つよ」 そう言われても… どうしていいか分からず、とりあえず 言われたままゆっくりと手を動かして刺激 してみる。 言ったとおりソレは、みるみる形を取り戻して 起き上がり、なぜか自分まで腰が疼いてきた。 「ほら、手でイカせて」 九条さんは俺の腰に両手をまわして 俺の愛撫を待つ。 自分以外のを扱くなんて、初めてだ…。 そっと上下に動かして、ちらりと九条さんの 顔を見ると、エロい顔で笑っている。 ー くそっ!全然気持ちよくなさそうだ…! しかもなんで、ヤってるこっちが恥ずかしく なってんだよ! 悔しくて、どうにか声の1つでも上げさせたいと 指の動きに集中した。 ゆるゆる上下させて、袋もそっと触れてみて… 透明の液体を塗り込めるように扱いた。 九条さんはため息ひとつ漏らさないで さっきと変わらず笑みを浮かべて俺を 見下ろしている。 「き…気もちよく、ない?」 思わず自信がなくなって聞いてしまう。 「気持ちいいよ」 九条さんは吹き出しそうな顔で笑って答える。 「和真 上手だよ、でももっと自分も 使った方が効果的だよ」 「…自分?」 「舌出して」 「……え」 「ほら、ベロ」 「………」 恐る恐る舌を出すと、九条さんの顔が近づいて 舌を舐められる。 ざらざらした感触に腰が震えた。 何度か動物がするように舐められて、吸われる。 それだけで情けないほど呼吸が上がってしまう。 「ほら、その顔超エロい! 自分も愉しんでやってるようなふりしてた方が こっちも興奮するんだよね」 「ふ、り?」 「いや、もちろん本当の方がいいけど 手だけ動かされても色気が足りないと覚める 奴っているんだよ 」 そういうと九条さんは立ち上がり始めた俺を 大きな手で包んで、耳元で囁いた。 「競争な!どっちが先にイカせられるか」 「…え、やっ!…もう出なっ……ぅっ」 この人本当に、エッチをスポーツだと 思ってるのかもしれない。 そう思った。

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