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3. just begin
6年生の時の夏休み
母親が突然帰ってこなくなった。
友達の家から帰ってきたら
机の上に1万円が置かれていて
一緒にカップ麺もいくつか置いてあった。
取り合えず、それを食べて待っていると。
夜遅くなって母から電話があった。
明日も帰らないから、そのお金でご飯を買えと
お風呂にちゃんと、入れとか、宿題もちゃんとやれ
と、勝手な事ばかり言って、最後に無駄遣いするなと
釘を刺されて一方的に電話は切れた。
自分はどこにいて、何をしてるとも言わず
いつ帰るかと聞いても、答えは返って来なかった。
あの不安で惨めな気持ち…。
外で物音がする度にドアが開くのを待った。
もう、帰ってこなければいい!そんな怒りの中で
ドアが開くのを待ってる自分…。
「…かあちゃ…」
自分の声が聞こえた気がして、目が開いた瞬間
はっとした。
ー 俺、今声出てた?
夢の中だけ?
バスローブだけ羽織った状態で
後ろから九条さんが、俺の腰を抱きしめるように
腕を巻き付けて、寝息をたてている。
良かった声に出てたとしても気づいてないだろう
この年になって、寝言で母親を呼ぶなんて
恥ずかしすぎる!
小さな窓には木製のキャビネットを装った扉が
はめ込まれていたけれど、隙間から線のように
日の光が差し込んで、朝が来ている事を
告げていた。
体が重く起きあがる気になれない。
頭も痛くて気分も悪かった。
こんな最悪の状態なのに
ふれ合う肌の感触だけで、下半身は元気に
なってしまう。
発情期ってオソロシイ…。
ゆっくりと、気づかれないように体を離す。
もうちょっと…もうちょっと…。
もう少しでベッドから出られる
そう思った瞬間腹の辺りをグッと捕まれて
腕の中に引き戻された。
「あっ!」
何の躊躇もなく中心を握られて声を上げた。
「いい子、いい子」
九条さんは、目覚めているのかいないのか
いまいちわからない、寝ぼけたような声で
俺の体を撫で回しながら、中心をはげしく
扱いてきて、体が勝手に悶えた。
「やっ…あ! ぁ、んっ!」
ー エ、ヤバイ! なんか超気持ちいぃ…
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