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九条さんは自分が脱いだズボンへ
手をのばし、ポケットからサイフを出すと
中からゴムをとり出した。
「じゃーん、ありました」
笑って俺の顔の前にゴムを
ヒラヒラさせて見せる。
ー え?俺どんな顔すればいいの?
喜ぶところ?
戸惑う俺を無視して、九条さんは さっさとそれを
着けて、いそいそ戻ると俺の足を抱えた。
その勢いのまま、いきなりグッとソレを
押し込まれて驚いて声を上げた。
「……っえ、いきなり?」
俺の足を抱えたまま体を倒して、胸の先に
柔らかく歯を立てた。
「! …あっ…んんっ」
同時にさらに勢いをつけて腰を押し込んでくる。
また、あの重い痛みが走って
俺は溺れてるみたいに九条さんの背中に
しがみついた。
「…頑張れそう?」
吐息混じりに聞かれて、無言でうなずく。
「俺、今日あんま余裕ないよ」
熱っぽい目で見おろされて
怖さとともに、膨らむ期待。
自分がそうさせている悦び。
「…もっと来てっ」
目をぎゅっと閉じて、やけくそのように
九条さんの首に腕を巻き付けて叫んだ。
言葉と同時にグッと腰を沈められて
勝手に腰が退けぞった。
…やっぱり、いたいっ
でもなぜだろう、今日は行ける
行ける気がする!
九条さんがゆっくり体重をかけながら進んでくる。
俺の猛った中心を握って扱きながら。
「~っはぁ、はぁ…」
「いいよ、和真…そのまま…」
顔が近づいて唇が重なった。
舌を差し込まれて、からまって
つかの間、キスに夢中になった。
上顎をなぞるように舌が動いて
腰がぞくぞくする
九条さんの大きな手のひらが二の腕から
滑るようになぞって
最後に俺の指と絡まって、握られる。
目と目が合って
呼吸が重なって
ベッドに縫い付けられた手に体重がかかり
もう一度、強く突き上げられた。
「……っぁ!!」
重い圧迫感。痛いのか、苦しいのか。
閉じた目から勝手に涙が溢れた。
ずり上がるように逃げる俺の体を片手で捕らえて
九条さんが笑う。
「……よしよし、頑張った」
俺は汗ばんだ手をぎゅっと握り返して応えた。
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