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九条さんがゆっくり動いてる。
両手の指を絡ませて握られたまま。
首筋に湿った唇の感触。
「はぁ…はぁ…」
快感と言うにはまだ遠い
ー でも、なんか…
「……絞まりすぎっ」
九条さんが吐息とともに腰を動かす度に
俺の中心が九条さんの腹に当たって擦れて
湿っていく。
「…あ、なんか…なんか来る…っ」
「うん、どっちも…スゲー濡れてるよ」
「ぃや、やめっ…」
言葉にされると恥ずかしさでむず痒い
顔を限界まで背けて、追ってくる感覚に
飲まれた。
「あ、ぁぁあ!…んっ!」
突然大きな手が口をふさいだ。
驚いて目を開くと、九条さんが
シーと人差し指を立てていた。
「こんな薄い壁、隣に聞こえるぞ」
クスクス笑いながら言われて
確かに、と口を結んだ。
普段から隣の家のテレビの音や、話し声は
丸聞こえだった。
「そう、いい子。…頑張れよ」
その言葉が合図だったように
突然九条さんの動きが激しさを増した。
「ん!…ぅんん~!」
俺は自分の腕を噛むようにして、声を抑えて
突き上げられる衝撃に絶えた。
九条さんの体から汗が玉になって流れて
額から流れた汗もパラパラと
俺の胸の上に降ってきた。
肌のぶつかる音と
ぐちゃぐちゃとした水音
スプリングも壊れそうなくらいギシギシと
悲鳴を上げている。
「………っあ!」
ソコを突かれた瞬間
前触れもなく突然弾けて俺は射精した。
ビュッ!ビュッ!っと
突き上げられる度に漏れて
九条さんが笑った。
「ソコだった?」
「んっ!ん!…や、やめっ……!」
さらに激しく腰を振られると
解放されたはずの熱が
また下半身に集まっていく
感じるポイントを擦りつけられ
止まらない快感が襲ってきた。
「も、もうっ! ダメ、、あ ぁ ぁ…っ」
また手で口を塞がれても、喘いだ。
だって、止まらないんだ。
どっから出んの?この声。
下半身の奥の方が
痙攣でもしてるみたいに
勝手にぎゅうぎゅう絞まっていく。
「あ、オレも。…いく…っ」
何度か深く突き上げて
九条さんが
俺の上に倒れこんで
まるでハリケーンが去ったように
騒がしさが遠退いていく。
部屋の中は俺たちの呼吸しか
聞こえなくなった。
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