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「気持ち良かっただろ?」
恥ずかしさと、情けなさと、えげつないほどの
快感の余韻で震えて動けない俺に
九条さんが無邪気に聞いてくる。
「和真、めっちゃ感じてたな」
「…ぃやっ」
なお楽しそうに話す九条さんに背を向けた。
俺が今できる精一杯の抵抗だった。
ー 穴があったら入りたい!
「恥ずかしいの?煽ってんの?」
「ちがっ…! バカ!」
モゾモゾとシーツを手繰り寄せて
頭からかぶって丸くなる。
「……なにそれカワイイ…
萌えて(燃えて?)きた…」
九条さんが恐ろしい言葉を吐きながら
俺の首筋に唇を寄せて、後ろから胸や首筋を
撫で回すように抱きしめるから
快感に慣れた俺の体は
どこもかしこも性感帯になったみたいに
それだけでビクビク震えてしまう。
「今度はイク時、蓮って呼んで」
吐息とともに言いながら、耳たぶを噛んで舌を
這わされて、また腰が重く熱くなって行く。
ー なんだコレ…いつ終わるの…?
もうぶっ壊れそう…
・
・
ひどい喉の渇きとともに、深夜目を覚ました。
窓の外はずいぶん静かになった気がする。
時折風の吹き荒ぶ音は聞こえてきたものの
打ち付けてくる雨の音は止んでいた。
ー お水飲みたい…。
首だけ少し動かして、辺りを見回した。
九条さんの姿がない。
さんざんヤりまくって、シャワーを浴びて
ベッドに戻った時にはグッタリで
2人してすぐに睡魔に襲われた。
俺の事を抱き枕のように抱いてグーグー
寝てたのに…いつ起きたんだろう?
全然気づかなかった。
ー 真っ暗だけど何時なんだ…。
重い体を起こして、ベッドから出ると
ちょうど、九条さんが灰皿を持ってベランダから
部屋に戻ってきた。
「え、外で吸ってたんですか?」
「おお、起こした?」
「いえ、喉乾いちゃって…」
「水持ってきてやるよ」
1度部屋を出た九条さんはペットボトルを
2本抱えて戻ってきた。
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