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翌日、昼からバイトに出かけるという 政実と一緒に家を出た。 特に予定もなかった俺は、さっさと家に帰って もう一眠りした。 15時頃目覚めて、ボーッとテレビを見ながら 昼食なのかおやつなのか分からない菓子パンを 食べていると、電話が鳴った。 蓮だった。 「どうしたの?電話なんて珍しいね」 「もうすぐ着く、出る準備しとけ」 「…は?」 突然過ぎて、半分冗談かと思った。 「まさか、まだ男の家?」 「いや、もう自宅だけど…」 ー “男”って言い方がひっかかっる… 「じゃぁ準備しとけよ」 それだけ言って電話は切れた。 もうすぐ、と言うだけあってそれから10分ほどで 蓮は来た。 文句も言わずに、お泊まりセットを持って 車に乗り込む俺を見て、蓮は満足そうに 「よしよし」 と、運転席から俺の頭を撫でた。 「急だね…」 「何でも食いたい物食わせてやるよ」 「別に今日は無いけど… あんまりお腹空いてないし、眠い…」 「つまんねぇの…じゃぁ 家で適当に 何か作ってやるよ」 俺がうん、それでいいと言うと 蓮は車を発進させた。 「シャワーする?」 家に入るなり蓮が聞いてきて、俺はあきれたように 蓮を見つめた。 「昨日あのカワイイ子とたっぷり楽しんだんじゃ ないの?盛りすぎじゃない?」 俺の言葉に蓮はキョトンとして見せる。 「え、和真…それってやきもち?」 俺は靴を脱ぎながらため息を吐く。 「…んな訳ないでしょ…でもあの子 昨日結構怒ってなかった? 邪魔しちゃって悪かったね」 俺は気になっていた事を言えて、少しスッキリした。 「…アイツ違うよ」 「え?」 「幼なじみの弟…そんな関係じゃない」 蓮は納得のいってない俺の顎を捕まえて 噛みつくみたいなキスをした。 追い詰められて、後頭部が壁にぶつかる。 「そっちは?」 「…はい?」 「あのお友達と楽しんだか? ネギ」 ー …ネギ…?

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