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10. 6
「…きもちぃ…?」
「うん、それは、やってあげると大抵の男は喜ぶ
だろうけど、そればっかり要求してきて
セックスを怠けるようになるから、簡単に
やったらダメ。
もっと楽な、それっぽいやり方今度ゆっくり
教えてやるよ 」
頭を撫でて、唇を親指でなぞられる
「思ったより早く出そう
無理して飲もうとするなよ」
こくりと頷いてから、今度は筋の部分を舐めた。
舌を硬くしてグリグリ押し付けるようにして。
蓮がよく俺にするように。
俺はいつも蓮に咥えられると、あっという間に
出してしまうから、いつも笑われた。
だって弱いんだ。
気持ちいいのはもちろんだけど
それ以前に、カーストの1番上にいるαの蓮が
1番下にいるΩの俺の股に顔を埋めて
俺を気持ち良くさせようと口を使っている…
そのシチュエーションに興奮してしまう。
なんだったら蓮がフェラをしようと構えた時点で
すでにパンパンだ。
だから蓮がその行為にかける時間はいつも
とても少なくて、真似できる技の引き出しは少い。
それでも同じ男だ、どこをどうしたら気持ちいい
なんて、だいたい同じだ!
ひたすらそれを思い出して、口を上下した。
手を使うのは時々忘れつつも
とにかく、必死で動いているうちに
明らかに蓮の質量が増してきて、顎が疲れて来た頃
蓮が俺の頭をまさぐって、腰をグッと
押し付けてきた。
「 …出るっ 」
ぐぐっと大きくなるソコを、咥え続けるだけでも
苦しかったけど、蓮を口でいかせられる嬉しさの
方が勝って、動きを止められなかった。
「……ぅう」
小さく声を漏らして蓮が射精した。
喉の奥にビュッと生暖かいものが当たって
反射的に飲み込もうとしたのに
思ったより喉に絡まってむせてしまった。
かろうじて吐き出さずにすんだけど
それ以上咥え続ける事はできず、口を離すと
蓮が俺の手を包み込むように重ねて、一緒に
何度か扱き、残りを出しきった。
「ごほ、ごほっ!」
「大丈夫?」
「うん…ごほっ」
「飲まなくていいって言ったのに」
蓮は用意していたタオルで、自分の出したものを
拭きながら笑った。
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