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「別に…処女じゃあるまいし…」
「それ、本気で言ってんの?」
「………」
それきり2人、黙りこんだ。
車は蓮のマンションの駐車場へ滑り込んだ。
半地下にある薄暗い駐車場の奥のスペース。
「降りろ」
言われるままベルトを外して、外に出た。
そのままマンションのエントランスには向かわず
外に向かって早足で歩く。
蓮が無言で追ってきて、俺の腕を強く掴んだ。
あまりに強い力で引っ張られて、両手で抱えていた
紙袋が派手な音を響かせて落ちて、中身が溢れる。
「痛っ!」
「来いっ」
「ちょ、ちょっと!拾わせてよ」
俺が溢れたプリントや教本を拾うのを
蓮は舌打ちして手伝い、全て拾うとそれを
俺の手からもぎ取って車の後部席に放り込んだ。
「……帰るってば」
俺が小さな声で言って、ドアを開けようとすると
ピピと音がしてドアにロックがかかる。
俺は深く息を吐いて、振り返った。
「じゃぁいいよ、預かっといて」
再び歩き出した俺を捕まえて、エントランスへ
向かって歩く。
「離してって」
「黙れ」
あんまり騒いでも人目につくし…。
あきらめて、ひとまず大人しく部屋まで
ついてく事に決めた。
ー 蓮がこんなに怒るの珍しい…というか
初めてかもしれない
掴まれた二の腕が痛い。
「……もう離してよ」
エレベーターの中で言っても
蓮は無視したままで顔も見ず、手も離さなかった。
部屋につくと、そのまま寝室へ引きずられる。
「蓮、やめてっ」
「処女じゃないし、いいんだろ?」
乱暴に服を脱ぎ捨てて、俺のズボンに手をかける
「やめて!」
蹴って、殴って全力で暴れた。
蓮もそれを上回るほど全力で、俺を押さえ込み
うつ伏せにひっくり返されて、両腕を床に
貼り付けられる。
「アイツが良くて俺はダメなんて事ないよな?
もう何回もやったんだし」
俺のズボンを引きずり下ろして
いきなり自分のモノを後ろにあてがった。
「ヤダ!! ヤダ!! 蓮お願い!」
かすれた悲鳴みたいな声で叫んだ。
その声を聞いて蓮の動きが止まった。
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