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13.8

「…そんな事があったなら、もっと上手く 助けてくれたら良かったのに」 「助けたじゃん」 「波風たてずに助けてほしかった… あんなケンカ売るような感じじゃなくて…」 「お前がちゃんと断らないから イラついたんだ」 「だって、俺なりに丸くおさめようと必死 だったんだ、それなのに途中から蓮が来て 余計にパニクっちゃって…」 二人で思い出して笑う。 「……心配してくれて ありがと…」 「お、なんだ。急に素直」 「でも…“俺のだ!”…なんて言っちゃってさ…俺たちが できてるとか、噂が広まったらどうすんの」 「もう、それならそれでよくない? どうせ皆、うすうす気づいてるよ」 「今は何にもないじゃん」 俺の言葉を聞いて蓮が黙った。 「…だな、お前の恋人にも悪いな」 蓮は笑ってエンジンをかけた。 それから発信する前に、あ、そういえば、と 俺の腕を掴んで見る。 「痕になりそうだな…ごめん 彼と揉めたら、俺が頭下げに行ってやるよ」 「っばっかじゃないの!余計もめるよ」 俺は慌てて手を振りほどいた。 気を使われると胸がいたい。 …別に…もめないし…。 「………彼じゃない…」 「え?」 「別に付き合ってない」 蓮がギアをパーキングに戻して サイドブレーキをひいた。 「じゃぁ 、なんで会うのやめたの?」 「………」 「…俺とするの嫌になった?」 「違っ…!」 否定しようとして恥ずかしくなった。 嫌じゃないの逆は………。 考えると顔が火照って。 「あ、碧斗君に会ったんだよ」 「碧斗?…うん……え、いつ頃?」 「会うのやめる少し前だから…2月の終わり? あれ?3月?」 「…ふぅん…それで?」 「……色々聞いちゃったんだ…昔の事…」 「……何を?」 「お兄さんの、倫斗さんの事…」 蓮の表情が固まった。 「………へぇ それで?」 「蓮が俺の事かまうのは倫斗さんを無くして 苦しかったからで、おれ自身を好きとか そういう事じゃないでしょ?」 蓮が口をポカンと開けて俺を見た。 「…いろいろ訂正したいけど、まぁおいといて… じゃぁ…、お前の言った通りだとしてさ 和真はそれじゃ不満だったの?」

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