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テーブルに鍋をドンと置いて、蓮が小皿に 取り分けてくれた。 「あんまり食欲ない…」 「まぁまぁ、ちょっとだけ食べとけって 今日まだ1食しか摂ってないし それ以上痩せたら骨になるぞ ほら、あーん」 蓮がフッーと覚まし、レンゲを俺の口の前で かまえる。 俺はそれに従ってパクっと食べた。 「……あ、ウマイ…」 全然食欲がなくて、食べられないと思ったのに 一口食べたら、どんどん進んだ。 「だろ~?」 「めっちゃウマイ!」 「良かった良かった」 「風邪ひいて弱ってるときとかに 作られたら惚れちゃうヤツだ」 蓮は俺を見ずに、惚れるなよ、と言って笑った。 食後は2人でダラダラ、テレビを見て過ごした。 蓮がソファーで横になってうとうとし始めて 俺は見るのを避けてきた携帯を手に取った。 何件ものメッセージと着信が記録されてた。 全て政実からだった。 小さくため息を吐いて、中を開いた。 最初は今日の朝だった。 俺に怒られる筋合いはないということ、 自分からは絶対に謝らない、そっちが謝るべきだと いうこと。つらつらと書かれていた。 メッセージが既読にならない事でヤキモキしたの だろう、少し時間をあけて、無視するな、と 怒ったメッセージが続き、夕方になって突然、 無事か?と俺を心配する内容に変わっている。 いつまでも既読にならない事に不安を覚えた のかもしれない。 (家にいないみたいだけど、生きてるか 死んでるかだけでも、連絡しろ) 最後のメッセージは夜の8時頃だった。 時計を見たら、もうすぐ10時だ。 ー 政実…家まで行ったのか… 相変わらずせっかちだな 俺は思わず苦笑した。 政実はビビりで、見た目はチャラくても 実は真面目で、無茶もしない。 性格も単純で、めんどくさくない。 きっと俺と初めて、こんな派手な喧嘩になって 動揺してる。 こんな状態を放置しておけなかったのだろう。 蓮の様子を窺うと、すっかり眠りに落ちていた。

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