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聞くのが怖い。 でも、蓮が言葉にすることで楽になるなら 聞いてあげたいと思えた。 「…倫斗……あの日…無理やり番にされた相手に 会いに行ってたんだ」 「…え?」 「やってきたって、ゴメンって 自殺した前日だよ」 聞いてる俺が震えて、汗ばんで 吐きそうだった。 「倫斗、発情期の回数減らすキツいホルモン剤 飲んでて、体調も悪くて、ずっと情緒不安定で 家族も友人も必死でアイツを支えてた。 きっとそれすらも倫斗には重かったと思う。 俺も別れたいって言われても聞く耳もたなかった きっと今だけだって、薬が効いて、落ち着けば 俺たちの関係も、落とし所がみつかるって そう思ってた」 蓮の手が震えてる。 俺も震えた。 「その日も発情期だった。効かない薬に苦しんで 家族も誰も近づけず、部屋に籠ってると思ってた。 深夜に、突然倫斗がウチに来たんだ泣きながら、 別れたいって… 今、あの男とセックスしてきたって。 言わなくていいのに、あいつバカ真面目で 俺に黙っていられなかったんだ。 俺は、オマエのせいじゃない気にするなって そう言ってなだめて、家に送った。 …でも、あの時、倫斗がほしかったのは そんな言葉じゃなかったのかもしれない 分かった、別れようって言ってやれば アイツは楽になったのかも…。 その時の俺は、そんな事考えもしなかった」 しんと静まりかえった部屋に 時計の針の音だけ響いてた。 布団の中で抱き合ってる体とは対照的に 外に出ている肩や足だけが冷えきって 感覚が鈍くなっているのを感じる。 蓮が布団を持ち上げて、寒い?と聞きながら 俺をくるみなおした。 「あの時、口では気にするなって言ったけど 俺どんな顔してたんだろう。。 優しく笑ったつもりだったけど ちゃんと笑えてなかったのかもな… その頃、俺の感情もめちゃくちゃで… 抱きしめたかったけど、それすらもできない 当時、俺に触れられただけで倫斗は嘔吐してたし 車にのせて、家の前で、じゃあなって…笑って 別れて… 翌朝碧斗が病院から 電話してきた……倫斗が死んだって」

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