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17. 5

「…何その真面目なプレーボーイみたいな理由」 「あ、オマエ今バカにした?」 俺は慌てて口をふさいで首を振った。 「なんとでも言えよ…」 蓮は照れ臭そうにタバコをしまって ベッドに戻った。 「ほら、来いよ冷えるから…」 布団を持ち上げて、中へ誘う。 俺は言われた通りに、ベッドに戻りながら 本当に吸わないの?と聞いた。 蓮は、うん、と、うなずいて俺をギュッと抱いた。 すごく深刻な話の最中だったのに 俺が泣いたせいで蓮が話せなくなってしまった。 俺がもっと大人だったら、蓮の気持ちを 楽にさせる気の利いた言葉を言ってあげられるのに 何もいい言葉が浮かばない。 それどころか、蓮の気持ちを考えていたら また、瞼の裏に涙がたまってきてしまう。 「オマエがいてくれてよかったよ…」 俺の気持ちに気づいたみたいに ボソッと蓮が呟く。 「え、ホント?」 「ふふ…本当だよ。ヤりたいときに ヤれる相手がいるっていいな」 「……ぁ…そういうこと… ……なら、もう一回する?」 「バカ…しないよ。もう寝よう… 明日も仕事だ…」 蓮が笑いながら俺の額にキスした。 「起こしてゴメンな…」 俺は力いっぱい首を振った。 自分がガキすぎて…何もできない事が 悔しい。もどかしい。 何を言ってあげたら蓮は楽になったんだろう 俺は蓮の腕の中で 、朝まで眠れず 言葉を探し続けた。

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