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友達
藍色のインナーを捲り上げて、肩から腰まで何度も舐めながら、右手の上下運動を早める。
ペチャ、ペチャ
最初より唾液を多めに出して舐めるから生々しい音が響く。
グチュ、グチュ
トロトロの愛液がキヨのちんちんに纏わりついて、こちらも負けないくらいの生々しい音を立てる。
そして、僕とキヨの荒々しい息が混じり合えば、ここは愛のジャングルに変わるんだ。
こういう生活が始まって初めてだらけだけど、今日が1番かもしれないほど……まるで飢えた狼だ。
「ペーター、ペーター」
「キヨ、キヨ……キヨ」
お互いを呼ぶ声と卑猥な水音が聞こえるだけの空間がなんか不思議だけど、いいなと思える。
ああ、もう元には戻れないな。
戻らなくていいや。
「あっ、アッ……もう、イくっ」
「行ってしまえ、快楽の世界に」
そう言い捨てて、僕はキヨの右肩に噛みついた。
「あっ、んハッ……アアアアッ!」
ドクドクと脈打つ棒から出てきた液体が僕の右手に絡みついた。
なんか、食べてみたいなと思った。
だから、その白い液体を舐めてみた。
「青くさ……マッズゥ!」
「アホ……なんで舐めてんねん」
キヨは身体を震わせて笑っていた。
今度は一緒にシャワーを浴びたんだ。
そこで全部誤解が溶けた。
キヨは人間嫌いの人間不信。
その上、極度の人見知りときた。
だから、初めて会う人に最初は疑ってかかるんだって。
それで来たのに、温かく迎えられて、自分の好きな料理を並べてくれてるからどうしたらいいかわかんなったらしい。
でも、『いや、ええわ』はありがとうという意味で言ったみたい。
ちなみに『帰ってもええ?』は冗談で、『もうちょっといて?』と言って欲しかったって。
それなのに、本気で受け止めた僕の悲しそうな顔が最初の自信満々だったのとのギャップに萌えて、イきそうになったみたい。
だから、シャワーで出したんだけど、無意識にお尻の穴も綺麗にしちゃったからリベンジしようって思い、あの淫らな格好になったようなんだ。
「もう! ちゃんと言ってくれたら良かったじゃん」
「いや、むっちゃはずいやんけ!」
僕の髪をキヨが優しく乾かしてくれているけど、言葉は喧嘩腰。
「僕、めちゃくちゃ悲しかったんだからな! 友達また減っちゃったって凹んだんだよ」
「悪かったっていうてるやんか……なんや! 欲しいのは金か?」
「じゃあ……キスちょうだい」
言いながらも恥ずかしくなって、俯いた僕。
パチンと音がしてドライヤーの温風が消える。
怒って止めたのかと怖くなった。
でも、髪に触れた手は優しかった。
チュッ
つむじがほんのりと温かくなって、身体に熱として流れ込む。
「お安いご用や、なんぼでもやったる」
見上げると、キヨは左に大きく口角を上げていた。
「だっておりぇたち、友達やろ?」
僕の胸が一瞬でざわめいたんだ。
「そういえば、なんでペーターなの?」
僕が素直に言うと、タオルで髪を乾かしていたキヨはキョトンとした顔をする。
「みんな、ペーターって呼んでたから」
「僕、平太……佐藤平太っていう大和男子だよ」
なんとなしに言うとキヨは顔を真っ赤にして、おりぇハーフには見えてへんかったしとそっぽを向いた。
「でも、ペーターって呼び名気に入ったからいいよ」
優しく微笑んだら、おおきにと小さく言って抱きしめてくれた。
最初はどうなることかと思ったけど、可愛い友達が出来たなと思う4日目の僕だった。
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