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南エツ
無事に用を足し、洗面器で手を洗いながらやっと息をついた僕。
早くマニの所に戻らないと、と思い直して振り向いたら、裸のエツがドアに寄りかかってこっちを見ていた。
解かれた髪は無造作に肩にかかり、大きい瞳に僕が映っていて、思わず固まる。
「ナンボが挿れたくてしゃあないから、俺がほぐしたるわ……坊主の穴」
せやからはよ脱げと言ってアゴをしゃくり、僕の手を掴んで浴室に引っ張り上げる。
お尻の穴って言ったくせに胸の尖りを舐めながら上着を脱がせ、右手でちんちんをこねくり回しながらジーンズを下ろし、噛みつくようなキスをしながら下着を脱がせたエツ。
射るような瞳と漂う大人の色気と思ったより優しい手に魅了されて、クラクラしてきた。
「こんなんでボヤッとすな……まだまだこれからや」
エツは言い放った後に僕を軽く抱き、浴室へと連れ込んでいく。
まずは頭から温かいシャワーを浴び、次にお尻にかけられる。
かけられるたびにひゃあと声を出してしまう僕にエツは大丈夫と声をかけてくれる。
そういえば、サガの時もこうだったなと朧気の頭で思い返す僕。
「ずぶ濡れやから、もう全部洗ったほうが早いわ」
エツは黒光りしたボトルからジェルを取り出し、僕の体に塗りたくっていく。
オーラが凄いから僕より身長が高いと思っていたけど、背中に頭がぶつかる感覚がするから小さいんだと気づいた……でも気持ちいいからいっか。
一生懸命手を伸ばして乳首を弄りながら胸を洗い、背中を流れるように舐めるエツ。
「ツクにもこうしてたの?」
ずっと思っていて、一番言っちゃいけないことを僕は言ってしまった。
でも、エツはクククッと声を出して、僕を抱き寄せる。
「バードは何もない俺に歌をくれた。だから俺は愛を教えた……それだけや」
いつものように言っているつもりかもしれないけど、声が震えていたのがわかった。
「あいつには三角という大切なやつが出来た。俺はいつものようにナンボに尽くせばええ」
背中を強く噛むエツに複雑な気持ちで僕は喘ぐ。
「バードには捨てたと思われとるかもしれんけど、ちゃう……俺しかあいつを汚させへんって思っててんで」
エツはさらっとちんちんを撫でた後、またジェルを足し、お尻を揉み始めた。
「今は三角をかなり可愛がってるようやし、俺はお役御免かと言い聞かせてんねん」
ふっと鼻を鳴らすエツ。
「でも、坊主を見つけてからバードと久しぶりに仕事以外の話が出来て嬉しかった……朝電話をどっちがするかでケンカするくらいの仲に戻れたわ」
ありがとうなと言いながら知らないうちに指を入れていたから、うんとちゃんと言えたかわからないほどボーっとしていた。
くるくると円を描くように穴が広げられて、思ったより苦しくも怖くもない。
「目どっか言ってもうてるやんか……本当にシたことなかったんやな」
宝の持ち腐れやって言い、もう1本入れてまたかき回すエツ。
肩、胸、お腹、背中、腰と身体のラインを空いてる左手で撫でるからピクピク反応したのに、またクククッと笑う。
「坊主、可愛すぎやぞ」
エツは僕を褒めた後、背伸びをして首の後ろにキスをしてくれた。
「さっ、2人きりの時間は終わりや」
お尻の穴が裂けそうなくらい入った指をバラバラに動かされて朦朧としていた僕に熱いシャワーを浴びせるエツ。
うわっとびっくりすると、ふはっとエツは笑った。
そして、いきなり抱きしめる。
「お前見つけてほんまに良かったわ、俺」
エツの心の底からの言葉だったから、僕はありがとうの気持ちを込めて、強く抱きしめ返した。
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