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第三章・2

「ここが、君の住まいになるマンションだ」 「凄い……」  鉄壁のセキュリティを誇る、高層マンション。  その一室が、徹の住まいだった。  もちろん、マンション全体の持ち主も徹なのだが。 「あの、ここは綾瀬さんのお家、ですよね」 「そうだが」 「僕も、一緒に住むんですか?」 「何かおかしいか?」  樹里は思わず、口をぽかんと開けていた。 「樹里くんには、私に尽くすという仕事があるんだ。なるべく一緒に居た方が、都合がいいだろう」  さっそく徹は、樹里に背中を向けている。  慌てて樹里は、徹からスーツを脱がせてクローゼットを探した。  歩きながら、シャツを、ベルトを、トラウザーズをぽんぽん脱ぎ捨てて行く徹。  衣服を拾いながら後を追うと、ついには下着まで脱いでそのままバスルームへ入ってしまった。

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